元大関栃ノ心が涙の断髪式「今日は悔し涙ではありません。幸せの涙でした」
昨年の大相撲夏場所で現役を引退した元大関栃ノ心のレヴァニ・ゴルガゼ氏(36)の引退相撲が4日、東京・両国国技館で行われた。断髪式には、横綱照ノ富士、元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏ら約300人が参加。最後は師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)が止めばさみを入れ、大銀杏(おおいちょう)を切り落とした。
ジョージア出身の元栃ノ心は、怪力を武器に活躍。右膝靱帯(じんたい)断裂の大ケガで幕内から幕下に転落後、復活して初優勝、大関昇進も果たした。
断髪式では何度も涙を拭い、感無量の表情。あいさつでは「今日は悔しい涙ではありません。幸せの涙でした。2005年に日本に来た時、一人も知っている人はいませんでした。今日はこんなにたくさんいます」と述べ、大きな拍手を浴びた。
断髪を終え、サイドと後ろを短く刈り上げた髪形にセット。“角界のニコラス・ケイジ”と称された端正な顔立ちが、さらに際立つニューヘアで「洗った時は軽く感じた。大丈夫かな?」と照れ笑いを浮かべた。断髪中の心境を問われると「いろんな人にいろんな思いがあるので、涙がポロポロ出た。家族もそうだけど、一緒にやってきたお相撲さんとか、いろんな思い出がありますから」と感傷的になったことを明かした。
現在は英美夫人、愛息の春伶馬(はれば)くん(9カ月)と日本に暮らし、ジョージアのワインやハチミツを輸入・販売する事業を手がける。「これから第二の人生を頑張って、できれば一人のお客さんとして、お相撲さんを応援したいです」と希望を語り、まげに別れを告げた。