ウルフ・アロン 大逆転でのパリ五輪切符に大前進 最終選考懸かるGSパリ大会で決勝進出 ライバル新井道大は3回戦敗退

 男子100キロ級準決勝で勝利し、ウクライナ選手(左)と握手するウルフ・アロン
 男子100キロ級準決勝 ウクライナ選手(右)と対戦するウルフ・アロン
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 「柔道・グランドスラム・パリ大会」(4日、パリ)

 14階級で唯一パリ五輪代表が決まっていない男子100キロ級は最終選考会として行われ、東京五輪金メダルのウルフ・アロン(27)=パーク24=は準決勝でウクライナ選手に一本勝ちし、決勝進出を決めた。銀メダル以上が確定し、同時出場していたライバルの新井道大(19)=東海大=は3回戦敗退。全日本柔道連盟(全柔連)は今大会で明らかな差がついた場合、代表を決める方針を示していたが、2大会連続五輪へ崖っぷちに立たされていたウルフが大逆転での五輪切符に大きく前進した。

 早期に負ければ五輪が絶望的となる瀬戸際の大一番で、金メダリストが本来の粘り強さと勝負勘を発揮した。ウルフは得意の足技で勝ち上がると、3回戦はモンゴル選手に投げられ「技あり」を先に取られる苦しい展開となったが、起死回生の小外刈りで一本勝ち。最後の最後に真骨頂を発揮し、本来の勝負強さを発揮した。

 ウルフは金メダルに輝いた21年夏の東京五輪以降、国際大会の優勝から遠ざかり、パリ五輪代表争いでは常に後れを取っていた。昨年12月のGS東京大会でも7位と精彩を欠いたが、日本勢が総崩れしたため、全階級で唯一、代表選考は越年で持ち越し。代表候補はGS東京大会2位の新井との2人に絞られていた。

 最後の代表選考会となる可能性も高い今大会に向けては、「ここで勝つか負けるかでパリ五輪が決まってくる。自分の柔道のこれまでの人生全てを懸けた戦いとして、結果を残せるように準備したい」と不退転の覚悟を明かしていた。

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