日本卓球協会は５日、都内で会見を開き、パリ五輪代表選手を発表した。既に確定していた男女シングルス代表各２人に加え、強化本部推薦による３枠目の団体戦代表として、女子は全日本選手権で準優勝した張本美和（１５）＝木下グループ＝を選出。東京五輪メダリストの伊藤美誠（２３）＝スターツ＝は落選し、３大会連続出場の可能性は絶たれた。男子は篠塚大登（２０）＝愛知工大＝が選ばれた。

　女子代表の渡辺武弘監督は、「非常にハイレベルな競争を繰り広げた。（３人とも）まだ年齢も若いし、平野選手は前回五輪を経験していて、１人経験者がいる。３人力を合わせて、五輪代表になったときには中国を倒し、決勝戦で中国を倒して金メダルを獲得したい」と抱負。３枠目の選考理由については「張本美和選手になったが、選考基準でうたっているように、ダブルスが組めて、シングルスもダブルスも活躍できるということでふさわしいと選考した」とし、「海外と戦うので、昨年１年間国際大会を一緒に帯同して、戦いぶりや上位選手との成績を総合的に見ながら、今回は張本美和選手が一番ふさわしいと思って選出した」と話した。

　また、伊藤との比較について「本当に選考は悩んで、悩んだ。比較と言うより、伊藤選手も金メダリストで、非常に優秀な選手だと思います」と難しい選考だったことを明かした。その上で、張本の国際大会での結果や戦いぶりに加え「ダブルスも非常に上手で、アジア大会では木原選手とペアを組んで、中国の孫穎莎、王曼昱ペアにも勝った。混合ダブルスでも戸上選手と組んで中国選手に勝ったり。トータルな見方をしたときに、わずかですけども、張本選手を選考させていただきました」と述べた。

　１５歳の張本美は全日本選手権で準優勝し、パリ五輪代表選考ポイントで４番手に浮上しフィニッシュ。昨年１１月の国内選考会で優勝するなど、高いポテンシャルをアピールしていた。男子のエース、張本智和（２０）＝智和企画＝と兄妹での五輪出場は日本卓球界初となる。

　一方、伊藤はパリ五輪代表レース最終戦となった１月の全日本選手権で６回戦敗退に終わり、２枠のシングルス代表入りを逃した。選考ポイントは３位で終えたが、失意の試合直後には「ずっとシングルスの優勝を目標にしていた。団体戦に選出されても出るかハッキリ決まってない」と、選ばれた場合でも辞退する可能性を示唆していた。