「長かった」ウルフ・アロン2年半ぶり復活Vに涙も照れ隠し「気のせい」パリ五輪決定的も「YouTube撮りながら頑張る」
柔道男子100キロ級の東京五輪金メダリストで、今月のグランドスラム(GS)・パリ大会で優勝したウルフ・アロン(27)=パーク24=が6日、羽田空港に帰国した。パリ五輪代表争いで崖っぷちの立場で臨んだが、土壇場の復活劇で代表内定が決定的。「東京五輪が終わってから初めての国際大会での優勝だったので、(ここまで)長かった。一つ報われた」と胸をなで下ろした。
持ち味の足技や内股など、積極的な技出しを意識しながら海外の強豪を次々と撃破。国際舞台では2年半ぶりとなる復活優勝の直後には、珍しく涙も見せた。「気のせいじゃないですか?」と照れ隠しでおどけてみせたが、「やっぱり安心感というか、良かったという気持ちが強かった。うれしくて泣くことはあまりないが、ホッとした気持ちだと思う」と胸の内を吐露。不振が続いていた五輪王者に懸かっていた重圧のほどをうかがわせた。
低迷していた同階級は全14階級で唯一日本代表が決まってなかったが、全日本柔道連盟は今月中旬にも強化委員会を開き、ウルフの内定を審議する見通しとなった。吉報を待つ千両役者は「YouTube(で配信する動画)でも撮りながら頑張りたい」と茶目っ気を見せつつ、「僕自身の柔道人生最後の目標として五輪2連覇というものがある。もう1、2段階ギアを上げて、全身全霊でやっていきたい」と真顔に戻って気を引き締めていた。