伊藤美誠「張本選手なら納得」パリ五輪落選も「驚きなかった」 世界1位目標に再起誓った

 卓球の世界選手権団体戦(16日開幕、釜山)に出場する日本代表が8日、都内で練習を公開した。5日に発表されたパリ五輪代表男女各3人を含む、各5人のメンバーが参加した。東京五輪メダリストの伊藤美誠(23)=スターツ=は別メニューで調整。パリ五輪代表落選後、初の公の場となったが「(3枠目の代表が)張本(美和)選手なら納得」と心境を明かし、自身は世界ランク1位を目標に再起することを誓った。

 伊藤はすっきりした表情で現実を受け止めた。3大会連続の五輪出場が絶たれてから3日。明るい表情で合宿に参加し、別メニューで体を動かした。「(落選)かもなと思っていたので、驚きはなかった」。3枠目には張本美和(木下グループ)が選ばれたが、高い実力と将来性は誰もが知るところだった。

 「張本選手は15歳で、これからの日本を引っ張っていく存在。私も15歳で(16年リオ五輪団体戦に)出たので、15歳で経験することは大事。(3枠目の代表が)張本選手なら納得です。張本選手が出て、五輪がどうなるか楽しみな部分もある」。悔しさをグッとのみ込んで、日本卓球界の未来にエールを送った。

 パリ五輪へは補欠に選ばれる可能性はあるものの「東京五輪の時は早田選手が支えてくれて私も頑張れたが、私はリザーブには向かないかなって思っている。たぶん(補欠で)行くことはないと思う」と辞退する意向を示した。女子代表の渡辺武弘監督は苦笑いしつつ「無理強いできないが、本人も気が変わるかもしれない」と、改めて意思確認するという。

 伊藤自身は五輪という大目標はなくなったものの、次は自己最高となる世界ランク1位に照準を合わせて再出発。「海外大会でどんどんランキングを上げてトップになりたい。中国に勝たないと絶対に入れないので、そこを目指す。一発の試合ではなく、積み重ねないといけない」と新たなモチベーションに燃えた。

 今回の世界選手権では五輪代表3人が中心となるため出番も限られるが「出場する試合は全部勝ちたい。みんなで一丸となって金メダルを取れるように頑張る」。心機一転の金メダリストが、エースの看板を下ろして新たな第一歩を踏み出す。

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