水谷隼氏「リザーブは1カ月自分の練習できない」伊藤美誠“向いてない”発言契機に五輪経験者が「補欠の役割」を続々解説

 パリ五輪代表から落選した卓球女子の伊藤美誠(23)=スターツ=が、選ばれる可能性もある代表補欠(リザーブ)について「私は向かないかなと思っています」と発言したことを契機に、普段知られることの少ないリザーブの役割について、五輪経験者が続々と解説している。

 東京五輪混合ダブルスで伊藤とのペアで金メダルを獲得した水谷隼氏は9日、自身のX(旧ツイッター)を更新。前日に「バック面に異質のラバーを使う伊藤選手は練習パートナーとしては不向きな戦型です」と解説したのに続いて、リザーブの立ち位置について詳しく説明し「オリンピックの場合、練習会場も細かく時間とコートが指定されているため代表選手ですら満足に練習できない状況です。そのためリザーブ選手というのは『万が一出番が来た時のためにしっかり準備しておくこと』というのはなく、代表選手達の練習パートナーという位置付けになります」とつづった。

 試合前に対戦相手を想定した練習が必要となるが、帯同できる人数が限られるため、いろんな戦型を模倣することが求められるという。「男子のリザーブ選手であれば、女子選手の練習相手になったり、中国選手と対戦する場合には中国ラバーを張ったラケットで練習させられたり、サービスのフォームを真似させられたりと、日本の勝率が1%でもあがるように努力してくれる陰の立役者です。リザーブ選手ならびに練習パートナーというのは、約1ヶ月間自分の練習ができない、なおかつ休みがないとてもハードな役割を担っています」と解説した。

 この投稿を引用する形で、北京、ロンドン五輪代表の岸川聖也氏もXで投稿。「あまり知られてないけど隼の言う通りで、ロンドンオリンピックの時、シングルスのドローで初戦(ベスト16決定)でジオニスと当たる事が決まってからは、リザーブの(松平)賢二にバック粒高のカットマンになってもらってました!」と、知られざる秘話を明かした。

 伊藤は8日、世界選手権団体戦(16日開幕、釜山)に向けた合宿で取材に応じた際、五輪での代表補欠について聞かれ、「東京五輪の時は早田(ひな)選手が支えてくれて私自身も頑張れたが、私はリザーブには向かないかなって思ってます。なので、たぶん(補欠としてパリに)行くことはないと思います」と率直な思いを語っていた。

 ◆卓球の五輪代表補欠

 12年ロンドン五輪以降では、女子は藤井寛子、平野美宇、早田ひな、男子は松平賢二、大島祐哉、宇田幸矢と、いずれも当時五輪出場経験のない有力選手がリザーブとして大会に帯同している。

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