ウルフ・アロン 五輪内定会見で報道陣に異例のチョコ配布「皆さんにも苦い…甘い思いをしてほしい」健在コメント力で笑い誘う
柔道男子100キロ級で今夏のパリ五輪代表に内定したウルフ・アロン(27)=パーク24=が15日、都内で取材に応じた。全14階級で最も遅い内定となったものの、ようやく連覇へのスタートラインに立ち、「(内定が)遅くなったが、まずは一つ安心した。現状に満足せず、五輪に向けてしっかり準備したい。連覇できるのは1回優勝した人間だけ。そこを意識して2連覇したい」と決意を込めた。
低迷を乗り越えて復活した東京五輪金メダリストから粋な計らいもあった。ウルフは会見に先立ち、柔道担当の報道陣に向けて段ボールいっぱいのチョコレートを用意。「たいへんお待たせしました。本日よろしくお願いします」とメッセージも添えられた。
ウルフは「いかにも僕がやらなそうなことだと思うが、一応(前日が)バレンタインということもあって、マネジャーさんと話して、たくさん用意した」と説明。当意即妙なトーク力は健在で「少し代表(決定)が遅くなってしまって申し訳ない気持ちがあったところで、(報道陣の)皆さんにも少し(自分と同じ)苦い思いというか、甘い思いをしてほしいなと」と笑いを誘った。
大人の事情で商品名は“カット”することになったが、「この時期に受験生の分も持っていってしまったのはちょっと申し訳ないですけど(笑)。自分自身、(五輪で)勝つっていうことを意識して」とオチをつけた。
この2年間は落選の危機と格闘しながら、正念場となった今月のGSパリ大会で復活優勝を遂げた千両役者。男子100キロ級で五輪2連覇を達成した日本選手は過去に前例がなく、井上康生氏も阻まれた鬼門だが、「(この階級は)外国人の技の威力がすごいというのは(苦戦の理由として)一つある。一瞬の隙が命取りになる階級なので、安定して勝つのが難しい」と真剣に分析しつつ、全ての期待を引き受ける男は「僕がしちゃえばいいでしょ」と親指を突き立てた。