五輪選考1カ月前に新星!世界水泳金タイム 深沢「今、日本水泳界で僕が一番調子いい」
「競泳・コナミオープン」(17日、東京アクアティクスセンター)
男子200メートル平泳ぎ決勝が行われ、深沢大和(23)=東急=が2分7秒07で優勝した。現在ドーハで行われている世界選手権の同種目金メダルタイム(2分7秒94)を大きく上回る好記録。3月17日に開幕する国際大会代表選考会で派遣標準記録(2分8秒48)を突破し、2位以内に入れば24年パリ五輪代表に内定する。
日本のお家芸に新星が現れた。深沢はスタートから先頭に立つと、隣で泳ぐ元世界記録保持者の渡辺一平(トヨタ自動車)を振り切ってフィニッシュ。今年に入ってから自己ベストを2秒近く縮め、一気にパリ五輪代表に名乗りを上げた。
昨年に慶応大を卒業し、都市開発に携わることを希望して東急に就職。東急東横線の田園調布駅で駅員を務めた経歴を持つ異色のスイマーだ。これまでは仕事と並行して競技を続けてきたが、パリ五輪への気持ちを捨てきれず会社に直談判。「代表入りなら五輪まで、落選した場合は国際大会代表選考会まで」という期限付きで、現在は水泳に専念できているという。
大学1年時から高城直基コーチに師事。渡辺一平(トヨタ自動車)、渡部香生子(MEIGI)ら平泳ぎのトップスイマーたちと共に練習を行っている。武器は「水の上を滑るような泳ぎ」。1カ月後に迫ったパリ五輪代表を決める国際大会代表選考会へ「(2分)5秒台を出します」と日本記録更新を宣言し、「五輪は夢。今、日本水泳界で僕が1番調子がいい。この勢いでいきたい」と闘志を燃やした。