日本航空石川「地震に負けない」ラグビー北信越高校新人大会V 「輪島のために」胸に逆転勝ち
能登半島地震で被災した日本航空石川高(石川県輪島市)のラグビー部が18日、長野県飯田市で行われた北信越高校新人大会決勝で開志国際高(新潟)を26-19で下し、全国高校選抜大会(3月下旬開幕・埼玉)出場を決めた。上野魁心主将は「感謝の気持ちをもって、笑顔と勇気を与えたい」と意欲を話した。前半は7-19だったが「輪島のために」を合言葉に逆転勝ちした。
19度目の出場となった全国高校ラグビー大会で敗退した2日後に地震が発生。練習グラウンドも大きな被害を受け、選手たちは避難。上野主将は「頭が真っ白で、大会は出られないと思った」と明かす。そんな状況を、練習試合などで交流が深い中部大春日丘高(愛知)が救ってくれた。
岐阜県にある中部大の施設での受け入れが決まり、2月4日に全体練習を再開。激励に訪れた中部大春日丘高OBで日本代表の姫野和樹(トヨタ)からスパイクなどの差し入れがあった。
一度解散し、3月上旬からは首都圏の大学や高校の協力を得て全国大会に備えるという。トンガ出身のシアオシ・ナイ監督は「地震に負けない。マイナスではなく(苦境を)ばねにできるようにしたい」と力を込めた。
◆日本航空石川高ラグビー部 2003年創部。全国高校ラグビー大会には19大会連続19回出場しており、前回大会は2回戦で茗渓学園(茨城)に敗れた。過去最高成績は2017年度大会のベスト8。主なOBは昨年のW杯フランス大会代表のシオサイア・フィフィタ(トヨタ)のほか、長谷川崚太(埼玉)、藤原忍(東京ベイ)ら。