宮城野親方2階級降格 弟子北青鵬による後輩力士への暴力行為が判明 引退勧告へ
日本相撲協会のコンプライアンス委員会(青沼隆之委員長=元名古屋高検検事長)は21日、東京・両国国技館で会合を開き、宮城野親方(元横綱白鵬)を2階級降格と減俸の処分とする案をまとめたことが協会関係者の話で分かった。弟子の幕内北青鵬が日常的に後輩力士を殴るなどの暴力行為をしていたことが判明し、監督責任を問う。北青鵬には引退勧告案とし、23日の臨時理事会で協議する。
2階級降格が決まれば、宮城野親方は委員から最下位の年寄に落ちる(再雇用者の参与を除く)。相撲協会の処分は7段階に分かれ、降格は解雇、引退(退職)勧告に次いで3番目に重い。現役時代に一時代を築いた大横綱に厳罰が下る可能性が高まった。
師弟2人は21日、コンプラ委に出席。関係者によると、宮城野親方は弟子の暴力を把握していなかったとし、北青鵬は引退勧告を受け入れる方向という。23日の理事会では今後の宮城野部屋の運営方法についても話し合われる見込み。
モンゴル出身の宮城野親方は史上最多の優勝45度を誇るなど、数々の大記録を樹立。2021年9月に現役引退し、22年7月に部屋を継承した。
22歳の北青鵬はモンゴル生まれで札幌市育ち。身長2メートル超の大器として期待されていた。1月の初場所では右膝負傷を理由に6日目から途中休場。関係者によると、同時に暴力疑惑が浮上し、師匠や宮城野部屋の力士全員が相撲協会の調査を受けていた。