暴力行為の北青鵬が謝罪「私は現役を引退します」宮城野親方も頭を下げる「弟子を守ることができなかった」
日本相撲協会は23日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、後輩力士への暴行を働いていた北青鵬の引退届を受理したことを発表した。また、宮城野親方(元横綱白鵬)には2階級降格と減俸3カ月20%の処分を課すことを決めた。
宮城野親方、北青鵬は同日、報道陣に対応。北青鵬は「この度は部屋の弟弟子に暴力をふるったことを深く反省しています。本当に申し訳御座いませんでした」と頭を下げた。続けて、「私は現役を引退させていただきます。日本相撲協会、宮城野部屋を応援してくださった後援者の方々、ファンの皆様の期待を裏切ってしまったこと、本当に申し訳ございませんでした」と、繰り返し謝罪した。
宮城野親方も「弟子の北青鵬が弟弟子に暴力をふるい、そして、弟子を守ることができなかった責任を受け止めております。相撲協会、相撲ファン、応援してくれている方々に心配をおかけしたことを深く反省し、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と神妙な面持ちで頭を下げた。
22歳の北青鵬はモンゴル生まれの札幌市育ち。身長204センチの大器で、昨年秋場所では千秋楽まで優勝を争った。1月の初場所では右膝のケガを理由に6日目から途中休場。同時に暴力疑惑が浮上し、師匠や宮城野部屋の力士が相撲協会のコンプライアンス委員会の調査を受けていた。
同協会は「理事会前に提出された引退届を踏まえ、北青鵬については自主引退を認めてこれを受理するものの、懲戒処分とした場合は引退勧告相当の事案であったことを確認した」と文書で説明。さらに暴行についても「顔面、背中及び睾丸(こうがん)への平手打ち等の暴行」「殺虫剤スプレーに点火してバーナー状にした炎を体へ近づける暴行」と詳細を明らかにした。
「痛がる反応を見て面白がっていたことも認められ、暴行の動機の面についても卑劣極まりない」と強い言葉で糾弾し、「令和6年1月場所中には、以前にも宮城野親方から同様のことで注意を受けていたにもかかわらず、ロールスロイスで場所入りするなど、まったく反省の態度が見られない」と指摘した。