暴行の北青鵬は引退 日常的に1年以上 睾丸へ平手打ち、棒で殴打、バーナー状の火を体に近づける「申し訳ございません」
日本相撲協会は23日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、元横綱白鵬の宮城野親方(38)に2階級降格と減俸3カ月20%の処分を科すことを決めた。弟子の幕内北青鵬(22)による後輩力士2人への日常的な暴力行為に関する監督責任を問われた。委員から最下位の年寄(再雇用者の参与を除く)への降格となる。さらに、春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)は所属する伊勢ケ浜一門が任命した師匠代行が宮城野部屋を監督することが決定。4月以降は一門が部屋を預かることも検討され、宮城野親方は師匠の立場を剥奪される厳しい方針が示された。引退届を提出していた北青鵬については申し出を受理し、引退勧告に相当する事案だったことを確認した。
北青鵬の暴行の詳細が明らかになった。協会の発表では22年7月の名古屋場所中を皮切りに後輩力士2人への暴力が常態化。同8月以降「顔面、背中および睾丸(こうがん)への平手打ち」、「ほうきの柄、またはまわしで作った丸太状の棒で臀部(でんぶ)を打つ」、「殺虫剤スプレーに点火してバーナー状にした火を体へ近づける」といった行為を週2~3回、繰り返していた。昨年の九州場所中には、後輩の財布や手の指に瞬間接着剤を塗る行為もあった。
コンプラ委は、悪質な暴行を1年以上も日常的に続けたことを重視し「痛がる反応を面白がっていた」、「卑劣極まりない」と断罪。さらには1月の初場所中に、以前に師匠から注意された行為であるロールスロイスで場所入りしたことを「まったく反省の態度が見られない」とし、引退勧告処分の妥当性を説明した。宮城野部屋の力士の多くからも「部屋への復帰は受け入れられない」との声があがったという。
暴力行為で周囲の期待も裏切り「本当に申し訳ございませんでした」と謝罪した北青鵬。204センチの大器は、自らの愚行であっけなく角界に別れを告げることとなった。