卓球の世界選手権団体戦でパリ五輪出場を勝ち取った日本代表男子、女子の選手が２６日、都内で帰国会見を行った。銀メダルに輝いた女子メンバーは早田ひな、平野美宇、張本美和、伊藤美誠、木原美悠が出席した。

　２４日に行われた女子の決勝戦は激闘。世界ランキング２位の日本が同１位の中国を追い詰め、大接戦となった。結果は２勝３敗で中国が６連覇を飾ったが、絶対王者をあと一歩まで苦しめた。

　準決勝、決勝はリザーブメンバーとして選手を鼓舞し、助言を送り続けていた伊藤美誠については、ネットでは「伊藤監督」の声が上がるほど話題となった。

　会見では伊藤の助言について質問があがり、選手が言及。平野は「ベンチに帰ったら、木原選手と伊藤選手が応援してくれて、木原選手は笑顔で、伊藤選手は冷静、ふたりの力があったから最後まで戦えた。伊藤選手は同い年で世界でもトップ級に頭の回転が速く見習うことが多い」とうなずいた。

　早田は「私と美誠は中国選手に勝つイメージが多く、美誠の要求が『きっついなぁ』と思うくらい、ボール１球じゃなく、一本一本のラリーについて言ってくる。でも、そのレベルじゃないと勝てない。（それは）中国選手に勝ったから共有できる。『だよね』とそれが同級生ならでは」と、笑顔。続けて、「試合で実行できたときにはやるやんとグーサインもらえて。本当に美誠らしいリアクションで、それを受け入れてくれてる渡辺監督もいたから完成されたと思う」と感謝した。

　後輩の木原は「いつも１分間の間で助言するのを見て、私は自分の意見をいうのは苦手だが、伊藤選手の姿を見て、試合を見る力、分析する力、本当にすごいなと感じました」と感嘆。張本は「たくさんのアドバイスをいただき、普段、考えられないこと、視点で助言いただき、心強かったですし、表情や相づち、安心して試合できました」と笑った。

　その伊藤は恐縮した様子も見せながら、「今回、たくさんの選手にアドバイスをさせてもらう機会があり、一致したとき、当てはまったときにうれしいというか、初めて監督やコーチの感覚になって、こういう感覚なんだなと」と実感した様子。一丸でつかみとった銀に、「一番上でも同世代でアドバイスしやすかった。安心して落ち着いてできる空間を作りたかった。木原選手には盛りあげてもらい、私がアドバイスできるという役割分担ができた」と振り返った。