琴ノ若 狙うは18年ぶり新大関V「結果と自覚を」 祖父の名継承前に賜杯に父の名刻む 春場所番付発表
日本相撲協会は26日、大相撲春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表した。新大関の琴ノ若(26)=佐渡ケ嶽=は、大阪府松原市の部屋宿舎で会見。看板力士の責任と自覚をにじませ、18年ぶりとなる新大関優勝への意欲を口にした。初場所で新十両優勝を飾った尊富士(24)=伊勢ケ浜=は初土俵から所要9場所で、年6場所制となった1958年以降では最速タイの新入幕(幕下付け出しを除く)を果たした。
会見直前、新大関は番付をしげしげと見つめた。父の佐渡ケ嶽親方も、これまでの自身も、関脇の場所に記されていたしこ名。「大関の下に琴ノ若を載せられたのはよかった」。親子の念願をかなえた感慨をにじませた。ただ、余韻に浸るつもりは毛頭ない。「結果を出さなきゃいけない地位。強い気持ちを持って、自覚を持ってやっていけたら」と決意を口にした。
狙うのは悲願の初優勝。初場所は優勝決定戦で照ノ富士に敗れて、あと一歩届かなかった。新大関Vを達成すれば、2006年夏場所の白鵬以来18年ぶり9人目となる。「毎場所同じ気持ちで臨んでいるし、今場所も(優勝を)取りにいくという気持ちでやっていかないといけない」と意欲をみなぎらせた。
昨年誕生した新大関は、ケガで途中出場となった霧島が負け越し、豊昇龍も千秋楽で辛くも勝ち越し。独特の緊張感に苦しんだ。だが、琴ノ若は「人は人ですから」と意に介さない。部屋の先輩大関である琴欧洲や琴奨菊の姿を「たくさん見せてもらったので」と、看板力士の重みを身近で感じてきた経験は大きい。
先代師匠で元横綱琴桜の祖父のしこ名を夏場所から継承予定。琴ノ若としてやっておきたいことを問われ「やれるものは全部」と答えた新大関。ラストチャンスで、賜杯にその名を刻む。