貴景勝かど番脱出へ“集中モード”突入 師匠「明日から取材なしにして」と報道陣に要請 春場所まで「調整の仕方はうまい」
大相撲春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)に8度目のかど番で臨む大関貴景勝(常盤山)が“集中モード”に入った。大阪市内の部屋で稽古した28日、師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)が「稽古に集中させたいので、申し訳ないけど、明日から取材はなしにしてほしい」と報道陣に要請。初日まで心置きなく調整できる環境を整えた。
貴景勝は「頚椎症性神経根症」で初場所を4日目から休場。慢性的な首痛が悪化し、右腕がしびれて力が入らない状態だった。この日の稽古では、四股やてっぽうの基礎運動に加え、幕下力士を相手に立ち合いの確認も10本。激しく当たって、首の状態を確かめるそぶりを繰り返した。休場後から導入した、重りのついた装具を頭にかぶって首を動かすトレーニングでも強化を図った。
取材に対応しなかった貴景勝に代わり、常盤山親方は「どのぐらい当たれるか、様子を見ながらやっている。相撲をとれるのは今週後半か来週前半になるのか」と現状を説明。貴景勝はかど番だった昨年の秋場所で優勝するなど、修羅場をくぐり抜けてきた経験は豊富なだけに「そういう調整の仕方はうまい。首を鍛えて、一日一番、本場所で自分の力を発揮できれば。精神力の強さと度胸の良さでやってほしい」と期待を込めた。