男子マラソン五輪代表3枠目“待ち”の大迫傑に内定も 瀬古氏困った「出ないと言うかも」

 「東京マラソン」(3日、東京都庁~東京駅前)

 パリ五輪男子マラソン代表の最終選考会となるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジを兼ねて行われた。2022年世界選手権代表の西山雄介(29)=トヨタ自動車=が自己ベストの2時間6分31秒で日本勢トップの9位となったが、日本陸連の設定タイム2時間5分50秒を突破できず、昨秋のMGC3位の大迫傑(32)=ナイキ=が2大会連続の五輪代表に内定。ベンソン・キプルト(ケニア)が2時間2分16秒の大会新記録で優勝した。女子は新谷仁美(36)=積水化学=が2時間21分50秒で日本勢最高の6位。ストゥメアセファ・ケベデ(エチオピア)が大会新の2時間15分55秒で制した。

 残り1枚の五輪切符は“結果待ち”の大迫が手にした。設定タイム突破者が出ず、五輪代表に内定。3枚の切符を巡る夢舞台への激しい戦いに、終止符が打たれた。

 五輪代表にはMGC1位の小山直城(ホンダ)、同2位の赤崎暁(九電工)が決定していた。3枠目はMGC3位の大迫か、MGCファイナルチャレンジ設定タイム突破者の最上位のどちらかが手にすることになっていた。選考対象だった昨年12月の福岡、2月の大阪、今回の東京の3大会へ、“待つ”か“出る”か-。大迫は「ワクワクする方を選んだ。東京だと面白くないじゃん」と、1月に選考大会ではないボストン・マラソン(4月15日)への挑戦を明言し、“待つ”ことを選んだ。

 昨年末には「そこ(五輪)だけじゃなくてもいい」と話しており、五輪だけを特別視はしていない。そのため、代表を受け入れるかは本人の判断を待つ形となる。

 日本陸連の瀬古利彦ロードランニングコミッションリーダーは「3人目は誰か分かりませんけども、彼は(代表を受けると)返事するか分かりませんが…」と苦笑い。陸連から本人への意思確認はしていないといい「そりゃ僕は(早大の)先輩ですから、大迫には出てほしいよ。ただ、あいつはどう考えているか、よく分かんないやつだから。出ないと言うかもしれない」と本音をのぞかせた。

 ただ、東京五輪6位入賞の実力者として期待は高い。瀬古氏は「オリンピック経験者のアドバイスができるのは大迫しかいない。彼には3番目に入ってもらいたい」と熱烈エール。高岡寿成シニアディレクターも「日本マラソン界を引っ張ってほしい」と切望した。

 大迫は現在、海外で練習中。MGCの後にはファイナルチャレンジに出場するかを問われ「勝ち取ってパリを目指したい」とも話していた。再び手にした夢切符の行方はいかに-。

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