安藤友香 涙の初優勝 自己ベスト更新も日本記録は届かず「悔しさもあるが、恩返しできた」

 「名古屋ウィメンズマラソン」(10日、バンテリンドーム発着)

 パリ五輪代表最終選考会となる、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジを兼ねて行われ、東京五輪1万メートル代表の安藤友香(29)=ワコール=が、自己ベストとなる日本歴代8位の2時間21分18秒で初優勝した。代表入りの条件だった、1月の大阪国際で前田が作った2時間18分59秒の日本記録には届かなかった。東京五輪マラソン代表の鈴木亜由子(日本郵政グループ)は3位、加世田梨花(ダイハツ)は4位だった。

 残り1枚のパリ切符は逃したが、7年前に初マラソンでマークした自己ベストを同じ土地で更新し、笑顔と涙があふれた。安藤は「日本記録を突破できなかった悔しさもあるが、お世話になった人たちに優勝で恩返しできた。初めて走った時の記録を同じ名古屋で塗り替えられたのは、自分の中で一歩進めた」と明るい声で喜びを語った。

 向かい風に阻まれるレースを、両腕を下に伸ばす“忍者走り”で粘り強く制した。26キロ付近で加世田とともに先頭集団から後退。2人で並走する形で進んだが、五輪の条件である前田のペースは遠のいた。終盤に先頭のチュンバ(バーレーン)に並ぶと、41キロ付近でスパート。「向かい風もあり苦しい中だったが、加世田選手がいてくれたから一緒に頑張ろうと思った」と、代表枠をかけて競り合った加世田にも感謝した。

 マラソン初優勝で、過去の自分から脱皮できた。7年前の自己ベストは現在も女子の初マラソン日本人最高記録だが「しがらみになり苦しんだ時もあった」と、それ以降更新できず苦悩も。しかし、日本歴代8位の記録をマークしたこの日、目標は明確になった。「前田選手の記録は素晴らしいし簡単なものではない。だからといって諦めたくない。一つの目標値として挑戦していきたい」と、日本記録更新に挑み続ける決意を新たにした。

 ◆安藤友香(あんどう・ゆか)1994年3月16日、岐阜県海津市出身。愛知・豊川高では1、3年で全国高校駅伝の優勝に貢献。スズキ浜松AC所属の17年名古屋で、日本女子の初マラソン最高となる2時間21分36秒を記録した。19年にワコールへ移籍。東京五輪は1万メートルで22位。昨年のMGCは2時間27分47秒で9位。160センチ。

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