羽生結弦さん 震災から13年「あの日を忘れることはない」被災を伝える使命背負い「僕しかできない支援を」
フィギュアスケート男子で冬季五輪2連覇の羽生結弦さん(29)が東日本大震災から13年の11日、出身地の仙台市で共同通信のインタビューに応じ「毎年変わらず、あの日を思い出してはつらい気持ちになる。でも、あの経験を絶対無駄にしてはいけない。僕にしかできない支援を模索しながら携わっていけたら」と神妙な面持ちで語った。
地震発生の午後2時46分には黙とうをささげた。プロスケーターに転向後は、昨年から2年連続で3月に宮城県でアイスショーを開催した。競技が最優先だった現役時代と違い「実際に行動できるという点で大きく変わった」と言う。能登半島地震にも触れ「石川県では今まさに、つらい思いをされている方もいる。そんな方々に希望を感じていただきたいし、現実を忘れるような幸せな一瞬を過ごしてほしい。そう願って滑り続けている」と思いを口にした。
仙台のリンクで練習中に被災。自宅は全壊判定を受け、避難所生活も経験した。2014年ソチ五輪で金メダルに輝き、被災地の星として発言を求められる機会が増えたが「親戚が亡くなったわけでもない。被災者ですとは言えない。葛藤と矛盾の中で言葉を選んできた」と明かす。それでも「(被災を)身近に感じてきたからこそ伝えられる気持ち、使命がある。被災地の方々を応援し続けていきたい」とし、信念を貫く覚悟を示した。