阿武咲 大の里の6連勝止めた!初場所に続いて“大器”撃破「落ち着いていけた」
「大相撲春場所・7日目」(16日、エディオンアリーナ大阪)
平幕阿武咲が大の里をすくい投げで退けて2敗を守った。連勝街道を走っていた大器を2場所連続で止め、存在感を示した。大の里は初黒星。大関陣は貴景勝、琴ノ若、豊昇龍が2敗をキープ。霧島は隆の勝に押し出され、5敗目を喫した。新入幕の尊富士が湘南乃海を寄り切り、7連勝で単独トップに立った。
また壁になった。初日から6連勝と勢いに乗る大器を、阿武咲が止めた。大の里の右差しを許さず、圧力を受けながらも左をねじ込むと、俵伝いに左に回り込みながらのすくい投げ。しっかりとかいなを返し、土俵の外へ飛び出させた。「向こうは右を入れて起こしたい。それをさせないようにだけ。危なかったけど、よかった」。狙い通りに相手の武器を封じた取組を冷静に振り返った。
初場所は3日目に対戦。2連勝していた新入幕の大の里を力強く押し出し、幕内初黒星をつけた。そして今度は7日目に相手の連勝をストップ。やりやすさは「特にないっすよ」と否定しつつ「みんな電車道で持っていかれているので、それだけは絶対に…とにかく落ち着いていけてよかった」。プライドをチラリとのぞかせた。自身も新入幕から4場所目の17年九州場所で、21歳の若さで新小結に昇進。破竹の勢いで番付を駆け上がった“先輩”の貫禄を示してみせた。
今場所は3連勝発進から豪ノ山、高安に連敗。気合が入り過ぎて集中に入る時間が早くなり、アップも多くなっていたことに気付いた。「まず落ち着くことに集中して。オンオフをつけた」とすぐに修正。落ち着きを取り戻し、再び連勝につなげた。
7日目を終え、全勝は新入幕の尊富士のみという混戦模様。「動き自体は初日からよかった」との言葉通り“怪物退治”で地力を証明した阿武咲も、荒れる春場所で怖い存在になってきた。