瀬戸大也まさか…本命種目で五輪切符逃す 呆然「何とも言えない」 2位も派遣記録に0秒21届かず「最後バテるぐらいで…」 高3の松下知之がV パリ五輪代表内定1号に

 レースを終えた瀬戸大也
 レースを終えスタンドに手を合わせる瀬戸大也
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 「競泳・パリ五輪代表選考会」(18日、東京アクアティクスセンター)

 男子400メートル個人メドレー決勝が行われ、21年東京五輪代表の瀬戸大也(CHARIS&Co.)は4分10秒84で2位となったが、日本水泳連盟が定める派遣標準記録(4分10秒63)を突破できず、本命種目でまさかの五輪切符を逃した。18歳の高校3年生、松下知之(スウィン宇都宮)が終盤見事な逆転で4分10秒04の自己ベストで1位となり、パリ五輪代表に内定した。競泳のパリ五輪代表内定1号となった。

 昨年10月のアジア大会から体重を8キロ落としたスリムボディーで迎えた今大会。予選は4分13秒03の首位通過と上々の泳ぎを見せたが、決勝はタイムが上がらず、キレのある泳ぎは影を潜めた。最初のバタフライを2位で通過すると、背泳ぎ、平泳ぎで首位に立ち、最後の自由形に。しかし、食い下がる若手らの追い上げに焦りもあったのか、ラストの切れ味を欠き、松下に逆転を許した。

 1カ月前に予兆はあった。2月の世界選手権(ドーハ)では予選を4分13秒06で通過するも、決勝は4分12秒51と低迷。銅メダルは死守したが、タイムは数秒しか上がらなかった。なにより「4分8秒で泳ぎたい」と言った自身の感覚と、実際のタイムにズレがあることが致命的だった。

 またこの日の会場は、東京五輪と同じ東京アクアティクスセンター。金候補とされながら予選落ちした五輪の悪夢が、また瀬戸を襲った。

 レース後はプールサイドに手をかけたまま、呆然。なかなかプールから出ることができなかった。レース後は「調子はよかった。4分7秒台を目指していたが、派遣に届かなかった」と苦笑いを浮かべ、「何とも言えない。平泳ぎも上手く泳げなかった。最後バテるぐらいだった。自由形も思うように動かなかった」と、気持ちの整理がつかない様子だった。それでも200メートル個人メドレーに向けて、「まだあるので、次の資格を勝ち取りたい」と、前を向いた。

 昨秋からオーストラリアに拠点を変更し、多くの有力選手を抱えるマイケル・ボール氏の指導を受ける。小学5年から指導を受けた梅原考之氏、埼玉栄高の同級生だった浦瑠一朗さん、東海大の加藤健志コーチと約4年で3度コーチを変更した。瀬戸は「環境が落ち着かずに転々とちゃっている」と自覚しつつ、「やってきたことは間違ってはない。今までやってきた流れを武器にして戦いたい」と語っていた。

 今大会は200メートル個人メドレーにもエントリー。22日に予選と準決勝、23日に決勝が行われる。3大会連続の五輪へ。是が非でも切符をつかむ。

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