大の里 役力士初撃破 若元春に“恩返し”勝ち越し決定 尊富士との直接対決「大事な一番になる」

 「大相撲春場所・9日目」(18日、エディオンアリーナ大阪) 

 ざんばら頭の大器が関脇をものみ込んだ。もろ手で突いて出た大の里は、192センチ、183キロの巨体を生かしてグンと前に出た。けんか四つの若元春に得意の左を差されてもお構いなし。休まずに攻め続け、必死に粘る相手を寄り切った。

 新入幕の初場所は横綱、大関、関脇に3戦全敗だった。「役力士に勝てたのは自信になる。先場所よりは成長したかな」。壁を一つ破り、表情には充実感がにじんだ。新潟・海洋高時代に毎年、合宿で訪れていたのが都内の荒汐部屋。当時幕下だった若元春にも、稽古をつけてもらった記憶があった。幕内の舞台でしっかり“恩返し”をしてみせた。

 初の幕内上位で、9日目での勝ち越し。「勝ち越せてホッとしているけど、まだ場所は終わってない」と気を引き締める一方で「相手も強い人になってきているが、この時点で勝ち越せている」と結果に自らの成長を実感した。10日目は全勝の尊富士との直接対決。「大事な一番になる」と眼光鋭く力を込めた大の里。単独トップを引きずり下ろし、荒れる春の中心に躍り出る。

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