本多灯 全体1位で決勝も拭えぬ危機感 自己採点厳しく反省の弁に終始「チャレンジャーとして」

 「競泳・パリ五輪代表選考会」(20日、東京アクアティクスセンター)

 男子200メートルバタフライ準決勝が行われ、世界選手権金メダリストの本多灯(22)=イトマン東進=が1分55秒43の全体1位で21日の決勝に進出した。女子100メートル自由形準決勝は池江璃花子(横浜ゴム)が54秒32、男子200メートル平泳ぎ準決勝は渡辺一平(トヨタ自動車)は2分7秒92で、ともに首位通過した。決勝が行われた2種目では、パリ五輪の派遣標準記録突破者は出なかった。

 東京五輪銀メダリストにとって、貫禄を見せたとはいえ危機感を感じるレースだった。本多は準決勝で序盤から抜け出すと、後続を大きく突き放してフィニッシュ。全体1位で決勝に進んだものの「思っている以上に体の感触はよくないと思った。最後の50メートルはきつくて腕が上がらなかった」と反省の弁に終始した。

 2月に負傷した左足首は「違和感がある程度」と完全回復はしていない。それでも準決勝で派遣標準記録の1分55秒27を切りたかったといい、「このタイムじゃ代表権を獲得できない」と厳しく自己採点。午前中の予選も2位通過だったことから「日本でこの種目を引っ張る1人として、予選も1位で通過したかった」と悔しさをにじませた。

 21日の決勝は五輪切符がかかる大一番。「きついところで根性を見せられるかどうか。最後の50メートルまで1位をとって逃げ切りたいし、勝ってオリンピックを決めることが大事。今までの功績は考えずに、チャレンジャーとしていきたい」と全力で夢舞台への切符をつかみにいく。

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