尊富士 琴ノ若撃破で新入幕初日から11連勝 大横綱・大鵬に並んだ「記憶に残る相撲を」

 「大相撲春場所・11日目」(20日、エディオンアリーナ大阪)

 新入幕の尊富士が大関初挑戦で琴ノ若を寄り切り、全勝を守った。新入幕の初日から11連勝は、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降で昭和の大横綱・大鵬と並ぶ1位の記録。初土俵から所要10場所目の歴代最速V、110年ぶりの新入幕Vが見えてきた。琴ノ若は3敗に後退。平幕大の里は貴景勝を押し出して大関戦初勝利を飾り、2敗を守った。大関霧島は負け越しが決まった。

 充実の新大関をもってしても止められなかった。尊富士の出足に場内は大きくどよめき、やんやの喝采に変わった。琴ノ若を撃破し、大関初挑戦での白星。「うれしいです」と頬を緩めた。立ち合いは受け止められたが、すぐに右からいなして攻勢に。左のおっつけで相手を起こすと、右も差し込み一気に走って勝負を決めた。新入幕の大関戦勝利は14年秋場所の逸ノ城以来10年ぶりだ。

 新入幕で初日から11連勝は、あの大横綱・大鵬に並んだ。普段は記録に関心を示さない男も「偉大なすごい方の記録に並んだのは素直にうれしい」と喜びを隠さず。ただ、イメージを聞かれると「王鵬関のおじいちゃん」と初々しく答えて笑いを誘った。

 大関戦でも緊張はなかった。支度部屋では、先に取組を終えた兄弟子の翠富士から「緊張してる?」、「焼肉行くか?」などと報道陣の前で散々いじられたが「まだ取組が終わってないです」と苦笑いで返す余裕があった。花道に出るまではリラックス。照ノ富士から学んだことだ。初場所の支度部屋で声をかけるのを控えていると「まだ集中してねえよ。花道に行ったら集中するもんだぞ」と教えられた。先輩からの学びをしっかりと自分のものにしている。

 偉大な先人の記録に並び、2差で単独先頭をキープした。「みなさんの記憶に残る相撲をとりたい」と望むちょんまげ頭の超新星。記憶に残る相撲をとり続けた先に、記録ずくめの初Vが待っている。

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