宇野昌磨SP首位発進 圧巻の今季SP世界最高 「目いっぱい演技した」4回転フリップ出色
「フィギュアスケート・世界選手権」(21日、モントリオール)
男子ショートプログラム(SP)が行われ、3連覇に挑む宇野昌磨(トヨタ自動車)が今季世界最高の107・72点で首位に立った。鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)が106・35点で2位、今季グランプリ(GP)ファイナル覇者のイリア・マリニン(米国)が105・97点で3位だった。ペアフリーは三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)は合計217・88点の2位で2連覇を逃した。ディアナ・ステラートデュデク、マキシム・デシャン組(カナダ)が初制覇した。
大会前に「限界までやってきた」と語った宇野の自信は本物だった。三つのジャンプを決め、スピン、ステップは全て最高難度のレベル4。マリニンの今季世界最高得点を塗り替える圧巻の滑りに「目いっぱい演技した。素晴らしいSPだった」と満足感を漂わせた。
「今までで一番」と自賛した冒頭の4回転フリップが出色だった。自らが世界で初成功した大技は今季回転不足が目立ち、年明けから「トライできるものは全部した」。助走のコースやスピード、踏み切りのタイミングを試行錯誤。高さのある跳躍から余裕の着氷につなげ、ジャッジ2人が最高評価の「5」をつけるほどだった。勝負のフリーへ「思い描く演技ができれば、それが僕にとってのハイライトになる」。3連覇の快挙へ、心技体が充実している。