本来の伸びのある泳ぎ戻った大橋悠依 パリ五輪へ「もう1段記録上げられる」 柴田亜衣さんが分析
「競泳・パリ五輪代表選考会」(24日、東京アクアティクスセンター)
5種目で決勝が行われ、女子200メートル個人メドレーでは21年東京五輪2冠の大橋悠依(28)=イトマン東進=が2分9秒17で1位となり、日本水泳連盟が定める派遣標準記録を突破。2大会連続のパリ五輪切符を獲得した。大会全日程が終了し、パリ五輪代表に内定したのは19人。うち初代表が高校生3人を含む9人というフレッシュな布陣となった。2004年アテネ五輪女子800メートル自由形金メダリストの柴田亜衣氏が大会を総括し、パリ五輪への期待を語った。
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大橋選手は本来の彼女が持っている伸びのあるゆったりとした泳ぎが、最初から最後までできていました。400メートル個人メドレーは残念でしたが、200メートルの方が自信があったのでしょう。しっかりと立て直してきました。400メートルを泳いだこともいい影響があったように思います。平泳ぎで追いつかれるかと見ていましたが、最後までしっかりと泳げていましたし、自由形も伸びがありました。
他国の選手も五輪に向けて上げてくるので、今日の記録だけではメダルとは言えないですが、久しぶりに彼女の中で良いレースができたと思うので、気持ち的にはパリに向けて上げていけるはず。記録ももう1段上げていけると思います。
大会としては日本記録が出なかったのは寂しいですが、内定者19人のうち、初の五輪代表が9人。高校生、大学生が自己記録を出して、五輪切符を勝ち取ったのは、日本の競泳界にとっても大きいですね。五輪経験者も瀬戸選手や松元選手、大橋選手、渡辺選手と、ほとんどが世界大会でのメダルを経験している選手。初出場の選手にとっては心強いですし、勉強になるはず。実績のある選手がメダルを取れれば、若手選手も引き上げられますし、バランスのいいチームだと思います。
私も大学4年生の時に選考会をベストで泳いで、遠征でもベスト、そしてアテネ五輪でもベストを出すことができました。若い選手は勢いがありますし、パリでも大きく飛躍する選手が出てくる予感がします。
記録をみると、200メートル平泳ぎが1番世界と近いのかなと思います。渡辺選手は100メートルで自己ベストが出たようにスピードがついてきています。このスピードを200メートルに繋げられる練習ができれば、久しぶりの日本記録更新も期待できると思います。(2004年アテネ五輪女子800メートル自由形金メダリスト)