尊富士快挙に沸く地元・青森県五所川原市 祖父母は歓喜の涙「すごい。立派だった」
「大相撲春場所・千秋楽」(24日、エディオンアリーナ大阪)
新入幕の尊富士が歴史的快挙を成し遂げた。豪ノ山を押し倒して、13勝2敗とし、1914年夏場所の両国以来110年ぶりとなる新入幕優勝を飾った。初土俵から所要10場所目の優勝は史上最速。14日目に右足首を痛めた休場のピンチを乗り越え、記録ずくめの賜杯を手にした。
尊富士の出身地である青森県五所川原市では、パブリックビューイング(PV)に集まった人々が大歓声を上げて110年ぶりの快挙を祝福した。前日に負傷した右足の状態が懸念された中での勝利に、観戦に駆けつけた尊富士の祖父工藤弘美さんと祖母洋子さんも「すごい。立派だった」と涙ながらに喜んだ。
五所川原市役所には市民ら約160人が集まり、手拭いや垂れ幕などの応援グッズを持ちながら祈るように闘いを見つめた。尊富士が優勢になるにつれ徐々に歓声が大きくなり、豪ノ山を土俵の外に押し倒すと万雷の拍手と万歳三唱が湧き起こった。その後もリプレー映像がスクリーンに映るたび、何度も祝福と感激の声が上がった。五所川原市の佐々木孝昌市長は「市民栄誉賞を創設したい」と話し、第1号として尊富士に贈る意向を示した。