110年ぶり新入幕V尊富士「さっぱどしたじゃ」津軽弁で心境 一夜明け「本当に優勝したんだな。15日間やってよかった」と実感
大相撲春場所で110年ぶりとなる新入幕優勝を飾った幕内尊富士(伊勢ケ浜)が千秋楽から一夜明けた25日、大阪市内で会見した。祝福の連絡が相次いだことに「本当に優勝したんだな」と実感。地元・青森の津軽弁で心境を表すならという問いに「さっぱどしたじゃ(すっきりした)」と答えて笑みをうかべた。
14日目の朝乃山戦で右足首の靱帯(じんたい)を損傷。休場のピンチに陥ったが、兄弟子の横綱照ノ富士から「おまえならできる」と背中を押されて千秋楽の強行出場に踏みきり、豪ノ山に勝って見事に初優勝を果たした。前夜は照ノ富士に「オレの9回(の優勝)より、おまえの相撲の方がうれしかった」と何度も頭をなでられたといい「何よりうれしかった。横綱に少しでも恩返しできたかな」と喜びをかみしめた。
史上最速となる初土俵から所要10場所目の初優勝に加え、24年ぶりとなる三賞総なめも達成。「まさかここまでできるっていうのは、夢のまた夢。15日間やってよかった。それだけです」と素直な心境を明かした。
ケガもあり、31日にスタートする春巡業への参加については「師匠とまだ全くその話をしていないので」と話すにとどめたが、夏場所(5月12日初日、両国国技館)への出場には「それはそう」と意欲。連続優勝を期待する声には「ファンのみなさんに応えられるように精いっぱい、僕もまた研究して強くなって土俵に上がります」と意気込みを示し「今年中に三役に上がりたいという思いは強い」と目標を口にした。