池江璃花子パリでリオタイム越える! 豪州で調整、56秒台目指す「どこまで強くなれるか」

 競泳女子のパリ五輪代表、池江璃花子(23)=横浜ゴム=が29日、1次合宿を行っている都内の味の素ナショナルトレーニングセンターで取材に応じた。東京五輪はリレーのみの出場だっただけに、個人種目は2大会ぶりに泳ぐことになる。エントリー予定は100メートルバタフライ。高校1年で出場した2016年リオデジャネイロ五輪の同種目の決勝タイムを超えることを誓った。

 冷静な受け答えの中に、覚悟がにじんだ。日の丸のジャージーに袖を通した池江は、パリ五輪へ向けて「まだ実感は湧いていないけど、ワクワクしている気持ちは大きい」と胸を躍らせた。

 3種目にエントリーした代表選考会(24日閉幕)では、初日の100メートルバタフライで白血病から復帰後ベストタイムを連発し、3大会連続の五輪切符を獲得。ただ、その後の50メートルと100メートル自由形では1位になったものの派遣標準記録を突破できず、悔し涙を流した。

 この日の取材では、選考会前に発症した腰痛が大会2日目以降に再発していたことを告白。毎日痛み止めを服用していたという。満身創痍(そうい)の状態でも計9レースを泳ぎ切り「不安もあったけど、最終的には棄権もせずに泳げて良かった」とうなずいた。

 合宿終了後には昨秋から練習拠点とするオーストラリアに戻り、多くの有力選手を抱えるマイケル・ボール氏の指導を受け、夏に備えていく。目標は16歳で出場し、100メートルバタフライ日本記録を予選、準決勝、決勝と3連発で更新したリオ五輪のタイム(56秒86)を超えることだ。

 復帰後ベストタイム57秒03は、東京五輪8位相当。パリ本番を56秒台で泳げば、さらに上の順位が見えてくる。「3、4カ月で自分がどこまで強くなれるか楽しみ」。花の都でもう一歩、完全復活への階段を上がってみせる。

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