柔道代表の永山竜樹、パリ五輪2カ月前の世界選手権にもW出場へ 異例の志願に鈴木桂治監督も驚き「意志が強かった」
全日本柔道連盟(全柔連)は8日、オンライン併用で理事会を開き、今年の世界選手権(5月19~24日、アブダビ)代表を決めた。今夏のパリ五輪代表は大会直前となるためほとんどが見送る中、男子60キロ級の永山竜樹(27)=SBC湘南美容クリニック=は出場を直訴し、唯一選出された。
五輪直前の2カ月前に開催される世界最高峰の戦いとなるが、永山は異例のW取りに挑む。五輪に次ぐグレードの同大会は世界ランキングのポイント配点が大きいものの、現在1位の永山はシード権獲得も確実。出場する必要はないが、永山はこれまで4度世界選手権出場を経験していながら、いずれも世界一は逃していた。
日本男子の鈴木桂治監督は、永山から出場を直訴されたことを明かし、「『世界選手権で優勝したい』という思いだった。いろんな調整を考えたときに(聞いて)少しビックリもしたし、(他の大会など)いろんな提案をしたが、本人の意志が強かった」と経緯を説明した。
五輪同年に世界選手権が開催されるのは21年以来。3年前、世界選手権に出場し、東京五輪と両大会を制したのは女子63キロ級のアグベニェヌ(フランス)だけだが、鈴木監督は「2回目なので大きいデータがあるわけではない。けがなどのリスクもあるが、彼の世界王者になりたいという意思を尊重した。(五輪への)テストとして出場する大会ではない。勝つ気で出場すると思うので、我々も永山選手が金メダルを取るために最善を尽くす」と、パリ五輪初日に先陣を切る先鋒の“おとこ気”にGOサインを出した。
◆世界選手権代表メンバー【男子】
〈60キロ級〉永山竜樹(SBC湘南美容クリニック)、中村太樹(国士舘大)
〈66キロ級〉田中龍馬(SBC湘南美容クリニック)、武岡毅(パーク24)
〈73キロ級〉石原樹(JESグループ)
〈81キロ級〉老野祐平(旭化成)
〈90キロ級〉田嶋剛希(パーク24)
〈100キロ級〉新井道大(東海大)
〈100キロ超級〉太田彪雅(旭化成)
【女子】
〈48キロ級〉古賀若菜(JR東日本)
〈52キロ級〉白石響(コマツ)、大森生純(JR東日本)
〈57キロ級〉玉置桃(三井住友海上)
〈63キロ級〉堀川恵(パーク24)
〈70キロ級〉田中志歩(JR東日本)
〈78キロ級〉浜田尚里(自衛隊)
〈78キロ超級〉冨田若春(コマツ)、新井万央(日体大)