曙さんの急逝 ライバル若貴が追悼 貴乃花光司氏は厳かに「百折不撓の人生観だったと思います」 元若乃花、花田虎上氏は沈痛「送り出す言葉が全く見つかりません」

 曙太郎さん(2013年10月撮影)
 優勝決定ともえ戦の抽選をする(左から)若ノ花、貴ノ花、曙さん
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 大相撲で外国出身初の横綱となった第64代横綱で格闘技でも活躍した曙太郎(本名同じ)氏が4月上旬に心不全のため都内の病院で死去していたことが11日、分かった。54歳だった。日本相撲協会も発表した。葬儀は家族葬で執り行う。米国ハワイ州オアフ島出身。1988年春場所、東関部屋から初土俵を踏む。204センチ、200キロ超の巨漢で強力な突き、押しを武器に、スピード出世。兄弟横綱の貴乃花、若乃花と数々の名勝負で空前の相撲人気を呼んだ。貴乃花は終生のライバルで「曙貴時代」を築き、幕内対戦は21勝21敗と五分だった。

 “若貴”はそれぞれ、曙さんの急逝を追悼した。貴乃花光司氏は所属事務所を通じてコメントを発表。「哀悼の意を表します。数々の闘いの思い出がありますが、相撲教習所に半年間通った頃の稽古の思い出が出てきます。土俵は3つあり 130名ほどで A土俵 B、Cと分かれます 私たちは、A土俵において猛々しく取組に励みました」と思い出を明かした。さらに「ハワイ諸島から来日し今日に至るまで日本の文化を感じて幾多の苦労があったかと思います。ハワイ巡業の際には地元ご家族も来ており、穏和な挨拶を交わしたことは新しい記憶のように思い出しています」と回想。「百折不撓の人生観だったと思いますが、これからは身を楽にして安らかに。 第六十五代横綱 貴乃花光司」と結んだ。

 元横綱若乃花でタレントの花田虎上は自身の公式ブログを更新。ブログに「曙の訃報に際し」と題して記事を投稿。「ライバルであり友であり苦楽を共にした仲間が旅立ちました 現在曙の訃報に際しコメントを求められていますが あまりのショックにお話できるような状態ではありませんので申し訳ありませんが文章にします」と衝撃をあらわにした。

 その上で「突然のことに送り出す言葉が全く見つかりません お互い協会から離れて頑張ってきたけど 離れていてもいつも心にいました」と、曙さんとの関係性を説明。「切磋琢磨してライバルとして戦ってきた分愛情が深く 言葉では言い表せないものがあります」と動揺を隠せなかった。

 さらに「また会いたい気持ちが強く 歳を取ったらハワイの木の下で同期生皆んなで会おうと曙と話していた その約束も果たせずただただ寂しいです」と回想。「ゆっくり待ってて ハワイの木の下でまた会おうね 会いに行くね」と締めくくった。

 花田と曙さんは1988年春場所で初土俵を踏んだ同期で、「花の六三組」と称された。ともに横綱に昇進するなど大相撲人気を支え、パワーの曙さんと技術の若乃花の取組は毎場所の名物となった。幕内対戦成績は曙さんの18勝17敗とほぼ互角だった。

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