17歳の角皆友晴が新風 88年以来高校生が五輪へ 決勝は憧れ橋本大輝と同組「何年後かには追い抜かないと」

 「体操・全日本個人総合選手権」(12日、高崎アリーナ)

 パリ五輪代表2次選考会を兼ねて男子予選が行われ、17歳の新星・角皆(つのがい)友晴(千葉・市船橋高)が85・065点で6位に入り、1988年ソウル五輪の池谷幸雄、西川大輔以来の高校生代表入りへ、上位につけた。五輪代表に内定済みで、2008年から10連覇した内村航平以来の4連覇を目指す橋本大輝(セントラルスポーツ)が88・199点で首位発進。初の五輪代表を狙う岡慎之助(徳洲会)が2位、21年東京五輪団体銀メダルメンバーの萱和磨(セントラルスポーツ)は3位につけた。男子決勝は14日に行われる。

 五輪選考会の大一番で、粗削りな17歳が頭角を現した。角皆は最初の跳馬で14・400点を出すと、鉄棒で全体4位の14・733点をマーク。5種目終了時点で橋本に次ぐ2番手につけた。最後のつり輪で失速し、6位だったが「大きな舞台で最初から思い切った演技ができて良かった」と納得の結果だった。

 名門・市船橋高に通うホープ。昨年大会は得意の鉄棒で2度落下し、60位で予選落ち。悔しさをバネに鉄棒を強化した。同校卒の橋本も「何事も恐れずにやっているところがすごい。よく練習するし、真っすぐ目標に向かっていく強さがある」と絶賛する存在だ。

 課題は順位を落とす要因となったつり輪。技の難度が低かったことから「(順位が)落ちるんだろうなと思っていた」と想定内の内容だ。「(最終種目でも)休憩ぐらいの感じ」と独特トークで大物感も漂った。

 憧れは橋本と内村航平さんの2人の五輪個人総合金メダリスト。上位6人に入ったことで、決勝は橋本と同組で回る。「今はまだ憧れだけど、何年後かには追い抜かないといけない存在」。1988年以来の高校生五輪代表入りへ、若い風を吹き込む。

 ◆角皆友晴(つのがい・ともはる)2006年4月22日、愛知県半田市出身。体操協会の職に就く祖父の影響で5歳ごろに競技を始めた。東京五輪2冠の橋本大輝を輩出した名門・市船橋高に22年に進学。23年世界ジュニア選手権では、種目別の平行棒、鉄棒で金メダルを獲得した。同年の全国高校総体の個人総合を初制覇した。163センチ、59キロ。

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