日比野がフルセットの激闘制し決勝大会進出「なおみちゃんの試合を見られなくて残念だった人がいると思うんですけど」
「女子テニス・ビリー・ジーン・キング杯・予選、日本-カザフスタン」(13日、有明コロシアム)
第1試合のシングルスが行われ、日比野菜緒(ブラス)が、世界50位のユリア・プチンツェワを6-4、3-6、7-6で撃破した。前回対戦でストレート負けを喫した相手にリベンジ。日本に無傷の3勝目をもたらし、11月の決勝大会(スペイン)進出に貢献した。
最終セットのタイブレーク。2-6と崖っぷちに追い込まれたが、4度のマッチポイントに気付かないほどの集中力を発揮して4連続得点。ジュースに持ち込み、最後はネット前に走り込んで食らいついた球をクロスに返して勝負を決めた。
ツアー優勝しても涙はめったに流さないが、夢だったBJK杯の決勝進出を自分の手でつかんだ喜びは格別。コートサイドで見守った杉山愛監督と抱き合い、目を潤ませた。
日本が12日の2勝と合わせて勝利条件の3勝に到達したため、第2試合の大坂なおみ-アンナ・ダニリナ戦はなくなった。場内インタビューで日比野は「なおみちゃんの試合を見られなくて残念だった人がいると思うんですけど」と自虐しつつ、「応援に励まされてファイトすることができた。この中でプレーできて幸せでした」とにっこり。会場からは惜しみない拍手が送られた。
会見でも再度「勝っちゃっていいのかなとは思いましたね。大坂選手の試合を楽しみにしている人はいると思った。でも声援の中で勝ちきりたい気持ちもあったので、複雑でした」と胸中を笑いながら告白。11月の決勝大会に向けて「(代表に)選ばれるように自分のランキングを挙げていきたいというモチベーションになる」と闘志を燃やした。