小川雄勢、全日本3回戦敗退「ルールに対応できなかった」8年ぶり旗判定復活、初戦は判定勝ちに観客席からブーイングの屈辱も

全日本選手権3回戦で判定負けした小川雄勢
 全日本選手権3回戦で原沢(手前)に判定負けし無念の表情を浮かべる小川雄勢
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 「柔道・全日本選手権」(29日、日本武道館)

 体重無差別で争われた。18年世界選手権代表の小川雄勢(27)=パーク24=は、3回戦で東京五輪代表の原沢久喜(31)=長府工産=に判定負け。今大会はゴールデンスコア方式の延長戦が廃止され、試合時間5分で決着がつかない場合、3人の試合審判による旗判定が8年ぶりに復活したが、「このルールに対応できなかった」と首を振った。

 日本一を決める伝統と格式のある今大会独自のルール改正となったが、受けの強さとスタミナを武器としてきた小川にとっては追い風とはいえなかった。初戦では168センチ、81キロの佐藤佑治郎(山形県警)との対戦で、スピーディーな小兵相手になかなか技を出せず、逆に担ぎ技を懸けられる場面では会場がドッと沸いた。旗判定で2-1と辛勝したが、会場からはブーイングが発生する屈辱の結果となった。

 さらに、3回戦の原沢戦でも技を出せないまま、相手の内股を受けてしまう場面もあり、判定0-3で完敗。相手の技を受ける際、体が浮くような受け方をしてしまうため、守勢の印象を与えてしまうと自己分析し、「技を出せなかったというか、相手の方が(仕掛けが)早かった。(相手の技をしっかりと)受けているつもりだが、自分の感覚と審判や見ている人の印象は違う。前半からペースを上げるのが難しかった」と判定決着の難しさを語った。

 自身7度目の全日本出場となったが、通算7度王者に輝いている父の小川直也氏に続くビッグタイトルは遠く、「毎年優勝するつもりで臨んでいるが、(勝つのは)難しい」と漏らした。近年は膝の故障にも苦しんでいるが、今後について「今の自分では世界(でもう一度戦う)とは言えない。目の前の試合を必死に勝ちに行くとしか言えない」と前を向いた。

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