桃田賢斗「やり残したことはない」 最後の日本代表活動から帰国 「泣きそうになったけど、めっちゃこらえた」
バドミントンの団体世界一を決める国・地域別対抗戦、男子トマス杯の日本代表が6日、成田空港に帰国した。今大会限りで代表から退くシングルスの桃田賢斗(NTT東日本)は「やり残したことはないです」と晴れ晴れとした表情だった。
元世界王者で、元世界ランク1位。日本エースだったが、20年遠征先のマレーシアで不慮の交通事故に巻き込まれるなど、決して楽ではない競技人生だった。金メダル候補として臨んだ21年東京五輪は1次リーグ敗退。今夏のパリ五輪出場権を逃し、今大会を最後に代表活動から退く。
日本は準々決勝で敗退。準々決勝では桃田まで順番が回らずに、代表として臨む大会が終了した。「くるなあ…とは思ってたんですけど、終わってしまったかという感じで。みんなと過ごしてきた時間を思い返してちょっと泣きそうになったんですけど、めっちゃこらえました」と笑って振り返った。
それでも「3勝してチームに貢献できた。楽しく試合ができた。優勝はしたかったけどそれ以上のものをもらえてすごく充実していた」と、納得の代表生活の締めくくりとなった。いろんな選手に「写真を撮りましょう」「お疲れさまでした」と声をかけられ、「僕もそういう選手の1人の仲間入りできてたのかなとすごくうれしかった」。ファンの応援もあり、「すごく多くの方に応援していただいた。こんなにファンの人がいてくれたんだなと改めて実感した。選手として誇らしい10年だった」としみじみと話した。
今後も競技活動は継続する。取材が終わると、「最後ですね」と笑い、3秒ほど記者に頭を下げて感謝。日本代表の朴柱奉ヘッドコーチと握手して別れた。