51歳の葛西紀明、26年五輪挑戦改めて明言「若手より元気、全部そろってる」“世界新”の小林陵侑にはダメ出し「足りない」
ノルディックスキー・ジャンプ男子で51歳の葛西紀明(土屋ホーム)が8日、都内で行われた全日本スキー連盟主催のシーズン表彰式「SNOW AWARD2024」に出席し、特別賞を受賞した。今季は2月の国内大会で2年ぶりに優勝し、4季ぶりに海外派遣メンバー入りを果たすと、久々のW杯では28位でポイントも獲得。「50歳を超えて、こうして海外で戦えて、ジャンプを続けていることを幸せに思っている。この年齢で(競技の)一線で戦える、世界で活躍できるところをこれからも見せていきたい」と決意を込めた。
今年6月で52歳になるレジェンド。4季ぶりのW杯参戦を足がかりに「2年後のイタリアの五輪を目指していきたい」と改めて明言し、「やっとW杯メンバーに返り咲くことができたので、このチャンスをものにしなきゃと。日本人上位4人に入らないとW杯、世界選手権、そして五輪に出られない。次のシーズンはしっかりポイントを取って、上位に食い込んで、自信をつけて五輪につなげたい」と青写真を描いた。
復活に向けて技術的な課題は口にしつつも、心身の衰えは否定。「自分の能力を信じているし、若手と一緒にトレーニングしても全く劣りはしない。逆に僕の方が元気なくらいでフィジカル面は自信を持っている。メンタルも誰よりも強い、負けないという気持ちがまだある。(戦うための)全てがそろっている。目指すところはワールド(世界)のトップ」と気を吐いた。
また、弟子の小林陵侑(27)=TEAM ROY=が4月、アイスランドの特設ジャンプ台で非公式ながら世界新記録となる291メートルを飛んだことについては「(記録が)足りないっすね。全然盛り上がらない。300(メートル)飛ぶつもりで行っていたと思うので。ダメですね、師匠として」とまさかの“ダメ出し”で笑いを誘った。シーズンが終わって時間が空いたことや、当日の条件が悪かったというものの「300いかなかったの?」「ダメでした」と会話を交わしたといい、「後で『だっせえ』と言ってやります(笑)」と期待をかけるエースだからこそハッパを掛けた。