26年五輪でもメダル候補だった宇野昌磨が電撃引退 今後の男子フィギュア勢力図は? 全日本歴代覇者で現役は37歳織田信成のみという異常事態

 フィギュアスケートの22、23年世界王者の宇野昌磨(26)=トヨタ自動車=が9日、自身のインスタグラムを更新し、現役引退を発表した。3月の世界選手権で3連覇を逃したとはいえ、今季の全日本王者でGPファイナルでも2位だった宇野。現状でも26年ミラノ五輪のメダル候補、日本トップレベルの競技力を持っていただけに、日本男子にとっては大きな存在を失ったことになる。

 北京五輪銀メダリストで今年3月の世界選手権でも銀メダルを獲得した鍵山優真、23年世界ジュニア王者の三浦佳生らがけん引し、世界王者のマリニン(米国)に挑んでいく構図となる可能性が高い。

 宇野は昨年末の全日本選手権で2年連続6度目の優勝を飾っていた。全日本は過去12年で五輪2連覇王者の羽生結弦と宇野が優勝を分け合っており、羽生は22年に競技生活に区切り。現役選手で全日本優勝経験があるのは、08年大会覇者で、昨年現役復帰を果たした37歳の織田信成だけという異常事態となった。

 宇野はこれまで、個人では18年平昌五輪で銀メダル、22年北京五輪では銅メダルを獲得するなど第一人者として活躍してきた。昨季は出場した試合全てで優勝し、グランプリ(GP)ファイナルを初制覇。世界選手権で2連覇を達成したが、今季はGPシリーズ2戦、GPファイナル全てで2位だった。昨年12月の全日本選手権こそ制し、今年3月の世界選手権のショートプログラム(SP)は今季世界最高点で首位発進と貫禄を見せたが、フリーでは若手3人に逆転を許し、4位だった。世界選手権後は進退について熟考する姿勢を見せていた。

 4月30日に15年から代理人契約を結んでいた「ユニバーサルスポーツマーケティング」との契約満了が発表され、交際中のフィギュアスケーター、本田真凜さんも所属する「ヒーローズマネジメント株式会社」に移籍することが発表されていた。

 ◆宇野昌磨(うの・しょうま)1997年12月17日、名古屋市出身。5歳の時、リンクで浅田真央さんに声をかけられてスケートを始めた。中京大中京高から中京大に進学。五輪は18年平昌で銀、22年北京は銅メダルを獲得した。22-23年シーズンはGPファイナルを初めて制覇し、世界選手権では2連覇を果たした。158センチ、55キロ。

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