ウルフ・アロン パリ五輪前最後の実戦で会心V締め 決勝は完璧な内股で一本勝ち 五輪2連覇へ復活気配
「柔道・グランドスラム・カザフスタン大会」(12日、アスタナ)
男子100キロ級が行われ、パリ五輪代表のウルフ・アロン(28)=パーク24=は、決勝でダニエル・アイヒ(スイス)に3分16秒、内股で一本勝ちし、五輪前最後の実戦を優勝で締めくくった。五輪ランキングは大会前、出場圏内ギリギリの20位だったが、今大会制覇でほぼ確実にした。
面白いだけでなく、精悍(せいかん)で強いウルフが帰ってきた。決勝は自身より頭一つ分身長の高い相手をしっかり組み手で制しながら、最後は得意の内股で完璧にはね上げて会心の一本勝ち。手応えからか、思わず両手を突き上げた。
ウルフは金メダルを獲得した東京五輪から実戦復帰後、しばらくの期間は精彩を欠き、海外大会では優勝から遠ざかった。パリ五輪代表争いで同階級は唯一の越年となったが、今年2月のGSパリ大会で涙の復活優勝を果たし、大トリで五輪切符を勝ち取った。
代表内定後、3月のGSアンタルヤ大会3位を挟み、五輪前最後の実戦だった今大会は「(五輪ランクの)ポイント獲得と、海外選手と試合経験を積むこと(が狙い)。ここで勝つことで弾みがつくし、自信にもつながる」と位置づけて出場したが、初戦から動きがさえ渡り、5試合全てで技によるポイントで制す会心の内容。五輪2連覇に向けて、眠っていた狼がついにボルテージを上げてきた。