宇野昌磨が引退会見「まさか僕がこういう選手になれるとは」「悲しいではなく前向きに」会見では終始笑顔 今後はプロへ
フィギュアスケート男子で五輪2大会連続メダリストの宇野昌磨(26)=トヨタ自動車=が14日、午後2時から都内で現役引退会見を行った。
「このたび、私はフィギュアスケート選手を引退することになりました。これまで応援してくださったファンの方にすごい感謝していますし、これからもプロとして活動していきますので、応援していただけたらうれしい」
現在の心境を問われると「これだけのたくさんの方に支えられてきたんだなと実感しております」と会場に集まった報道陣を見渡しながら語った。SNSにはたくさんのメッセージが寄せられ「引退というのは悲しいのではなく、前向きに。悲しいという声もうれしいかなと思うんですが、次に向けてスケートを頑張るという思いです」と語った。今後はプロスケーターとして活動する予定で「競技とは近くなるかもしれないですけど、毎日の練習が楽しくなるような、心から踊るようなスケートをしていきたい」と目を輝かせた。
ライバルたちからもメッセージが寄せられ、輝かしい実績も紹介されると「まさか僕がこういう選手になれるとは思っていなかった。感謝とともに驚きです。周りの方がのびのびと好きにやらせてくれたのが一番でしたし、振り返ると本当にすごい道を歩んできたなと実感しております」と表情を緩めた。「記憶に残るネーサンとゆづ君(羽生結弦さん)との試合。彼ら2人は僕にとっては雲の上の存在で、いつか同じ立場で戦いたいと常々思うスケーター2人でした」と語り、「2人の人間性の素晴らしさが記憶に残る」と明かした。
宇野は9日に自身のインスタグラムで「このたび、現役選手を引退する決断を致しました」と現役引退を電撃発表。11日には地元・名古屋で引退発表後初の公の場に登場した。詳細は会見の場で話すとしなががらも、今後の目標ついてフリップには「探」と一文字を書き、「今後のことも含め探していきたい」としていた。
会見の模様はYouTubeチャンネルのトヨタイムズスポーツで生配信され、チャットにはファンからの感謝のメッセージであふれていた。会見では趣味の話題までトークが広がるなど異例の会見となり、宇野は終始笑顔を浮かべていた。
◆宇野昌磨(うの・しょうま)1997年12月17日、名古屋市出身。5歳の時、リンクで浅田真央さんに声をかけられてスケートを始めた。中京大中京高から中京大に進学。五輪の個人では18年平昌大会で銀、22年北京大会は銅、団体では22年北京大会で銀メダルを獲得した。16年4月に4回転フリップを世界初成功。昨季はGPファイナルを初めて制覇し、世界選手権では2連覇を果たした。趣味はゲームで、プロゲーマーも認める腕前。158センチ、55キロ。