宇良 幕内自身初4連勝発進 3連勝発進3場所全て勝ち越し2場所で2桁星 「何もないです。終わるまでは」
「大相撲夏場所・4日目」(15日、両国国技館)
平幕宇良が翠富士を押し出し、幕内では自身初となる初日から4連勝を飾った。上位陣の不振が目立つ中、人気業師が土俵を盛り上げる。大関陣は、かど番の霧島が大栄翔に押し出されて3敗目。琴桜は豪ノ山に辛勝して1敗を守った。豊昇龍は平戸海を寄り倒し、星を五分に戻した。全勝は宇良、御嶽海、湘南乃海、宝富士の平幕4人。
派手さはなくとも、うまく、力強く難敵を退けた。今場所初めて自身より小さい相手との対戦。2度つっかけられた後の立ち合いで、宇良は翠富士の突進に押し込まれたが慌てない。左手で相手の頭を押さえながら右ですくって回り込むと、最後は左手をグイッと当てて走るように押し出した。
幕内23場所目で初日からの4連勝は初めて。自己新となるスタートダッシュにも「知らなかったです。覚えてないです」と認識はなかった。関心を示さない理由は単純明快。「一番意識しても意味がないところ。今日勝てば記録更新だなんて思って、相撲を取ってないですから」。余分なものには振り回されない。日常生活から極力ものを持たないミニマリストを志向する男は、必要なことだけに集中している。
感覚にはこだわる。足の裏には硬い部分を作らない。巡業期間中以外は、クリームを塗るなどして毎日ケア。角界入り後、初めて皮が厚くなった時に違和感を嫌い、手入れを始めた。「土俵に足が吸いつくような感じがないと。皮ができていると、しっかり受けられない」。勝負の世界で生き残るための手間暇なら、もちろん惜しまない。
幕内で3連勝発進した過去の3場所は全て勝ち越し。うち2場所で2桁星を挙げている。連勝の話題には「何もないです。終わるまでは」と気を緩めなかった宇良。まだまだ勝ち星を伸ばし、連日満員の館内を沸かせる。