体操・宮田笙子 圧倒3連覇で笑顔の五輪初切符 19歳で最年長 代表5人の平均年齢は17・6歳
「体操・NHK杯」(18日、高崎アリーナ)
パリ五輪代表最終選考会を兼ね、4月の全日本選手権の得点を持ち点に、女子の個人総合2回目が行われた。1位スタートした宮田笙子(19)が4日間の合計217・162点で、女子史上7人目の3連覇を果たし、初の五輪切符を獲得した。2位の岸里奈(16)、3位の岡村真(18)、4位の中村遥香(16)も代表内定、チーム貢献度で選出される残り1枠は牛奥小羽(19)=日体大=に決まった。団体メンバー全員が初五輪となるのは、1984年ロサンゼルス五輪以来。杉原愛子(24)は代表入りを逃した。
日本のエースが初の五輪切符を射止めた。宮田は大会直前に左脚の内転筋を痛めていたが、最初の跳馬は全体1位の14・300点をマーク。4種目全てを大きな過失なく演じ切った。「3連覇できてうれしい」と喜びながらも、「思い切った演技ができず悔しい」とすぐに反省も口にした。
東京五輪後、次世代のエースとして期待される存在に。当初はその重圧に涙することもあったが、世界での経験が自身を強くした。今大会では「やっぱりここで決めるのがエース」と、五輪を意識して試合に臨むほどたくましくなった。会場では、日頃から手料理でサポートする母が観戦。娘の快挙に涙して喜び、「おめでとう」と祝福した。
五輪代表5人は全員10代で平均年齢は17・6歳。宮田は牛奥と並んで最年長となり「下の子たちが心を開きやすいようにしたい」とうなずいた。名前の『笙子』は管楽器の『笙』が由来で、「音色のようにみやびやかな女の子になってほしい」と意味がある。「まだまだいけるな」と不敵に笑った19歳。パリでも優雅な体操を見せる。