空手 引退表明の清水希容が現役最後の演武を披露、今後は指導者へ「空手家として、さらに高みを目指したい」
引退を表明した空手・女子形で2021年東京五輪銀メダルの清水希容(ミキハウス)が19日、尼崎市で現役最後となる演武を披露。会場の詰めかけた5000人の観衆の前で、持ち味である強く美しい演武で魅了した。
演武後の会見では、東京五輪後に両ヒザのけがが原因で思うような演武ができず、日常生活にも支障が出るほど悪化。4月に入って引退を決断し、所属会社に報告したという。「五輪のあとの2年間はけがに悩んでいて、ずっと調子が悪かったけど、まだ続けたいなという気持ちもあった」と葛藤があったことを吐露。しかし、空手を始めてから20年間、ヒザを酷使してきて自分のベストの演武ができないことで競技から退く決断を下した。
現役時代の一番の思い出には東京五輪を挙げた。空手が実施競技として採用され、厳しい選考レースを勝ち抜いてたどりついた大舞台だった。「オリンピックを経験したことで、競技人生が変わった。五輪のおかげで、空手には組み手と形があることを知ってもらえた。すごくプラスになったと思います」と振り返った。
今後は指導者として新たな道を歩んでいく。「理想は動ける指導者。もっともっと高みを目指して、空手家としてさらに技術を上げていきたい」と語った。
◇清水希容(しみず・きよう)1993年12月7日、大阪市出身。兄の影響で小学3年生から空手を始め、東大阪敬愛高から関大に進学した。2013年の全日本選手権を当時史上最年少で制し、そこから7連覇を達成した。16年に世界選手権を2連覇。東京五輪で銀メダルを獲得した。23年アジア大会で3連覇を成し遂げた。