“逆転の北口榛花”また最終投で逆転Vも自虐「切羽詰まらないとできない」国立競技場での“前哨戦”制しパリ五輪へ弾み
「陸上・セイコー・ゴールデングランプリ」(19日、国立競技場)
女子やり投げが行われ、世界女王の北口榛花(26)=JAL=が優勝を飾った。2位で迎えた最終6投目で、今季ベストとなる63メートル45をたたき出し、逆転で制覇。昨年の世界選手権銀メダルのフルタド(コロンビア)、銅メダルのリトル(オーストラリア)も出場した“前哨戦”を制し、今夏のパリ五輪に向けて弾みをつけた。
“逆転の北口”がまたも勝負強さを発揮した。5投目にライバルのフルタドが62メートル06をマークしトップに躍り出たものの、北口は最終投で観客の手拍子を煽りながらリズムに乗り、大逆転。投てき後は小躍りして喜びを噛みしめた。
昨年の世界陸上や、今季初戦となった4月のダイヤモンドリーグ上海大会と同様、最後の6投目に逆転してみせる“北口劇場”を日本でも再現し、「いつも通り最後なので、って感じ。いつも最後だからと思って一生懸命投げるんです(笑)」と自虐。「(最後の底力は)いい面でもあり、切羽詰まらないとちゃんとできないところもある(笑)。でも勝負は大事なので、勝ち続けられるように頑張りたい」と語った。
パリ五輪の前哨戦を制して大きく弾みをつけたが、この日は多くの観衆も国立競技場に訪れており、「国立で(自分が出た大会に)こんなにお客さんが入っていたのは初めて。すごくうれしかった。日本だということを忘れるくらいお客さんが入って、手拍子もたくさんの人がしてくれて大きな音でうれしかった」と感慨深げ。日本女子投てき初の金メダルを狙うヒロインは、今夏の本番に向けて「この記録ではメダルに届かない。あと2カ月で準備して、メダルを取ってこられるようにしたい」と決意を新たにした。