欧勝馬 あるぞ2場所連続の新入幕V 3敗4人の大混戦「おれにもチャンスあるから頑張ろうかな」

 「大相撲夏場所・12日目」(23日、両国国技館)

 新入幕の欧勝馬が正代を撃破し、トップに並んだ。先場所を制した尊富士(伊勢ケ浜)に続き、ニューフェースが賜杯争いに食らいついている。湘南乃海は関脇阿炎に敗れて3敗に後退。大関豊昇龍は勝ち越しを決めた。大関琴桜、小結大の里、湘南乃海、欧勝馬の4人が3敗で首位に並び、豊昇龍ら7人が4敗で続く。12日目を終えて3敗が首位は2003年名古屋場所以来、21年ぶり。

 2場所連続で新入幕力士が、賜杯争いの中心に立つ。欧勝馬はのど輪で正代をのけ反らせると、相手の出足に合わせてはたき込み。まげをつかんだのではないかと物言いがついたが、軍配通りに勝ち名乗りを受けた。大関経験者との対戦には「“元”なので」と気負いはなく、「タイミングがよかった」と汗を拭った。

 角界の有名一族に力士の道に導かれた。モンゴル出身の元遊牧民で、ドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(元横綱朝青龍)の父に勧められてレスリングを開始。ダグワドルジ氏の紹介で日体大柏高に進学を決め、日体大から相撲を始めた。

 当時は豊昇龍と同じ飛行機で来日。一足先に角界入りした“親友”にも対抗心を燃やして実力を付け、初土俵から約2年半で幕内の座を射止めた。武器は素早い動きからのいなし。その特徴を生かすために、今は押しの圧力も磨いている。

 初場所から同じ日体大出身で後輩の大の里が優勝争いに絡み、春場所では尊富士が歴史的Vを達成した。次に“新入幕旋風”を起こすのは自分しかいない。13日目は自身初の後半戦で、関脇若元春との対戦が組まれた。欧勝馬は「今は勝っているから楽しい。(尊富士は)1学年下なんで、おれにもチャンスあるから頑張ろうかな」とにやり。荒れる夏場所の主役になってみせる。

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