大の里 新入幕3場所連続2桁星!トップ3敗堅守 大関とりへ起点築いた「先の番付に行ける権利がある」
「大相撲夏場所・13日目」(24日、両国国技館)
新小結大の里が平幕宇良を押し出して10勝目を挙げた。新入幕から3場所連続の2桁勝利は2017年の阿武咲以来となる快記録。大関とりの起点を築くことにも成功し、3敗でトップタイをキープした。3敗対決は大関琴桜が湘南乃海を下し、首位を並走。新入幕の欧勝馬は関脇若元春に押し出され、4敗に後退した。3敗は琴桜と大の里の2人。4敗で大関豊昇龍ら5人が続く。
ド迫力の圧勝に、館内には歓声ではなくどよめきが響いた。大の里がくせ者・宇良を電車道で粉砕した。頭を低く下げた相手をもろ手突きで横を向かせると、二の矢の押しでグンと前に出て勝負あり。たった2秒0で土俵下まで吹っ飛ばした。
優勝争いのヤマ場でトップを堅守。入門からわずか1年というのに、重圧を感じさせない。戻った支度部屋でも目を閉じて表情は変えず。内容は「よかったですね」と自賛しつつ「(優勝は)ないものだと思っている。来場所につなげる相撲をしっかりとって頑張ります」と無欲を貫いた。
新入幕から3場所連続の2桁勝利は阿武咲以来2人目の快挙(1場所15日制が定着した1949年夏場所以降)。同3場所合計32勝は、白鵬の31勝を上回る。小結での10勝は大関とりの起点にもなる大きな結果だ。「今回は三役で違うので。数字的なものが大事になってくる。今後につながるだろうし、三役だったら先の番付に行ける権利がある」。今場所中にそう話していた“権利”の一つをまずは手中にした。
八角理事長(元横綱北勝海)も「立派ですよ。上位と最初から当たっているから本当の力じゃないかな」と好成績を称賛。新三役が優勝すれば、57年夏場所の安念山以来67年ぶりとなる。「そこ(優勝)に関しては気にしていない。あと2日、国技館に来て相撲をとることだけ考えたい」と大の里。ちょんまげ頭の大器が、歴史的な初Vへラストスパートをかける。