37歳ナダル初の初戦敗退 最後の全仏か?パリ五輪に照準も 「ここに戻ってきたい。それが今の目標だ」
「テニス・全仏オープン」(27日、パリ)
シングルス1回戦が行われ、男子で全仏通算14勝のラファエル・ナダル(スペイン)は、第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)にストレート負けした。世界ランキング70位の西岡良仁(ミキハウス)は、第21シードのフェリックス・オジェアリアシム(カナダ)に0-3で敗れた。女子では日比野菜緒(ブラス)がベルナルダ・ペラ(米国)に0-2で完敗。3連覇を狙う第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)は順当に2回戦に進んだ。
今季限りでの現役引退を示唆している37歳のナダル。全仏で最多14勝を誇る「赤土の王者」が、自身初めての初戦敗退を喫して「チャンスはあったと思うが、理想的な1回戦にはならなかった」と言うしかなかった。
1月の全豪オープンは負傷欠場し、今季初の四大大会に臨んだ。左右に振られると追い付けない場面が目立った中でも持ち味は随所に見せた。鬼気迫る表情で、多彩なショットなどで強敵に対抗し「いいレベルだったと思う」と満足感ものぞかせた。
会場には長年、しのぎを削ったノバク・ジョコビッチ(セルビア)ら男女の有力選手が姿を現した。満員の客席からは万雷の拍手が送られ、敗者としては異例のコートでのインタビューを受け、感無量の表情を浮かべた。
一方で「未来のことを語るのは難しい。ここでの最後のプレーになる確率は高いが、100%とは言えない」と去就には従来の姿勢を強調。さらに同会場で開催されるパリ五輪に向け「ここに戻ってきたい。それが今の目標だ」と出場に意欲を示した。7月のウィンブルドン選手権には出ず、クレーコートで調整を続けるという。「練習も好きだし、テニスも好き」。もう一つの赤土の大舞台へ照準を切り替えたようだった。