日本相撲協会は２９日、大相撲名古屋場所（７月１４日初日、ドルフィンズアリーナ）の番付編成会議を開き、嘉陽（二所ノ関）と生田目（なばため＝二子山）の新十両昇進、藤青雲（藤島）の再十両を決めた。

　日体大出身の嘉陽は、２０２２年夏場所で三段目９０枚目格付け出しで初土俵を踏んでから、２年での関取昇進。国技館で会見に臨み「うれしかった。自分の同級生もたくさん関取衆が出ていたので『頑張らなきゃ。早く上がりたいな』と思っていました」と心境を語った。

　同じ二所ノ関部屋で中学、高校、大学の同級生である十両白熊、１学年下の大の里は、昨年秋場所で一足早く関取となっていた。大の里は夏場所で史上最速Ｖ。嘉陽は「すごいなと。刺激にもなている。自分も頑張らなきゃと思った」と後輩の活躍を受け止め、白熊の出世も「負けていられない」と発奮材料にし、新十両昇進につなげた。

　身長１７１センチで、下からの突き押しが武器。初場所は東幕下筆頭で負け越し「考え過ぎて相撲をとっていた」と反省した。西幕下筆頭で臨んだ夏場所は「そんなに相手のことを考えないで、自分の相撲をとろう」と考えを改め、５勝２敗と見事に勝ち越し。大の里の付け人として初めて参加した春巡業で、さまざまな力士と稽古を積んだことも生きた。

　会見に同席した師匠の二所ノ関親方（元横綱稀勢の里）は「独特な力感というか、嘉陽にしかできないような押し相撲をどんどん磨いていってほしい」と評価。「十両に上がれたということで、スタートラインに立った。幕内に上がって、上位陣を脅かすような存在に、そこで安定した成績を収めるぐらいやってほしい」とエールを送ると、嘉陽も「稽古頑張ります。当たって相手の下に入って押し出していく、前に出ていく相撲をとっていきたい」と抱負を口にした。