全中開催取りやめ発表に日本水連困惑「唐突感を持ちながら諸対応」開催意義強調「進学キャリア形成にも重要」

 日本中学校体育連盟は8日、全国中学校体育大会(全中)についての運営見直し改革を各都道府県中学校体育連盟の会長、関係諸団体に発出し、令和9年度(27年度)以降に取りやめとなる競技に水泳が入ったことを受け、日本水泳連盟は同日、声明を発表。「中学生選手にとって唯一の中学チャンピオンシップ大会でもある全中大会は、高校進学に当たってのキャリア形成においても重要な機会であり、この令和9年度以降の開催については慎重なる検討が必要であると考えております」とし、「全中大会の在り方、方向性について中体連から本連盟に最初の打診があったのは本年3月21日でした。その際、本連盟としては令和9年度以降も継続を前提として様々な開催方法案について中体連に質問をしていた段階であり、今回の急な方針発表のタイミングには唐突感を持ちながら諸対応しているところです」と、戸惑いを滲ませた。

 今後は加盟団体長会議で意見を集め、方向性を協議するという。

 中体連はこの日、夏季16競技、冬季4競技が行われている同大会について、令和9年度(27年度)以降は夏季11競技のみとすることを発表した。11競技は陸上、バスケットボール、サッカー、軟式野球、バレーボール、ソフトテニス、卓球、バドミントン、ソフトボール女子、柔道、剣道とされた。

 水泳、ハンドボール、体操、新体操、ソフトボール男子、相撲、スキー、スケート、アイスホッケーの計9競技は開催しない方針で、原則として部活動設置率が20%未満の競技が縮減された。ただ、スキーに限っては開催地との契約終了年度となる令和11年度まで現在の大会規模を継続して実施する。

 また、大会規模も縮小し、会期は3日間以内を目標に。参加者についても団体戦及び個人戦ともに現行の30%減を目標とする。また開催経費も30%減を目標とする。

 同連盟は「少子化の進行が深刻となり、中学生の数が減少し続けること、夏季の全中大会開催に際して、参加生徒の健康保持と安全な大会運営を図る上で、一層の暑熱対策が不可欠であること、これまで大会運営に多大な尽力をいただいている教員の負担軽減を推進させることなどの全中大会の適正な運営にかかる様々な課題については解決に向けた取組が進んでいない実態から脱却し、誰もが進捗を実感出来る改革を進めなければ、中学生にとって大舞台である全中大会を開催し続けていくことが難しい状況になっています」と説明。プロジェクト委員会による3年以上の協議の結果として、改革案が答申されたという。「日本中学校体育連盟では理事会をはじめとする各種の会議において、答申を基に協議を重ねた結果、令和9年度以降の全中大会の在り方を大きく見直すこととしました」と、説明した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス