元千代の国が断髪式 脳幹出血で闘病中の兄・澤田賢澄さんを思い涙「断髪式が無事に終わったと報告したい。良くなることを信じて」

 昨年の名古屋場所で現役を引退した大相撲の元幕内千代の国の佐ノ山親方(33)の断髪式が2日、東京・両国国技館で行われた。幕内錦木ら関取衆に加え、元ボクシング世界王者の山中慎介氏、モデルの秋元梢、歌手のSEAMOらが出席。最後は師匠の九重親方(元大関千代大海)の止めばさみで大銀杏(おおいちょう)を切り落とされた。

 式の序盤から涙がこぼれていた佐ノ山親方は「こらえきれなかった」と振り返り「泣く予定はなかった。感謝の気持ちでいっぱいだった」と照れ笑い。短いツーブロックの新しい髪形に「普通の人になった。新鮮ですね」と満足げな表情を浮かべた。

 断髪式では、兄で俳優として活躍する元幕下千代の真の澤田賢澄さんと最後の一番をとる予定だったが、澤田さんは4月に脳幹出血で倒れて闘病中。佐ノ山親方の希望ではさみを入れる参加者として兄の名前が読み上げられると、館内からは温かい拍手が送られ、佐ノ山親方は込み上げる涙を我慢できなかった。現在は目を開いて、話しかける声に反応するようになったと兄の病状を説明。「しゃべっている内容は理解している。無事に断髪式が終わったと報告したい。よくなることを信じて、みなさんに応援していただきたい」と願った。

 現役時代は膝などのケガで幕内から幕下以下に番付を下げてから2度も再入幕する復活を果たした佐ノ山親方。一つの節目を終え「自分の力いっぱい九重部屋に貢献できたら。ケガの大変さもわかるし、自分の経験が若い子たちの役に立てれば」と、部屋付き親方としての意気込みを新たにしていた。

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