サニブラ内定で男子100メートル五輪切符は残り2枠の争い 10秒切りと上位入りが条件 陸上日本選手権27日開幕

 パリ五輪の代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権は、27~30日に新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで行われる。最大3枠の男子100メートルは、昨年のブダペスト世界選手権6位入賞のサニブラウン・ハキーム(25)=東レ=が代表に内定済みで、今大会には出場しない。パリ五輪の参加標準記録の有効期間は2023年7月1日から24年6月30日まで。実質的な“最終選考会”となる日本選手権での、し烈な代表争いを展望する。

 残り2枚のパリ切符。五輪参加標準記録は10秒00で、30日までの有効期間内の突破者はサニブラウンのみ。この記録を突破して優勝すれば五輪代表に即時内定する。その後は①日本選手権2位以内に入った参加標準記録突破者(日本選手権の順位、世界陸連が定めるパリ五輪の世界ランクの順で優先)②参加資格を得た者(パリ五輪の世界ランク上位56人が獲得)の順で選考される。重要なのは10秒00切りと、日本選手権で上位に入ることになる。

 代表争いで頭一つ抜けているのが昨年の世界選手権代表の柳田大輝(20)=東洋大=だ。自己ベストは10秒02で、今季は5月のセイコー・ゴールデングランプリで優勝。15日の日本学生個人選手権では追い風参考の3・5メートルながら、9秒97をマークするなど勢いは随一だ。26日時点の世界ランクで日本勢2番手の33位につけていることも好材料。日本選手権2位以内に入れば、代表入りは確実だ。

 昨年王者の坂井隆一郎(大阪ガス)はセイコー・ゴールデングランプリで今季日本勢3位となる10秒10をマーク。“カミソリスタート”が武器で、悲願の金メダルを狙う400メートルリレーでは1走に期待がかかる。東京五輪代表の小池祐貴(住友電工)は今季自己ベストが日本勢4位の10秒11、東田旺洋(関彰商事)はパリ五輪の世界ランクで日本勢4番手の43位と、混戦状態となっている。

 一方、9秒95の日本記録保持者の山縣亮太(セイコー)は右脚の違和感が続くこと、多田修平(住友電工)は4月の織田記念で負った右ふくらはぎ肉離れが完治しないことから、ともに日本選手権を回避。パリ五輪代表入りが消滅した。元日本記録保持者・桐生祥秀(日本生命)は1月に60メートルを6秒53で走り、当時の日本記録をマーク。屋外の今季自己ベストは10秒36と苦戦気味だが、大一番での巻き返しなるか。

 400メートルリレーは100メートルで代表入りした選手最大3人が選ばれ、残りは日本選手権が最重要選考会となる。5月の世界リレー代表で6月の布勢スプリントで2位に入った山本匠真(広島大)など、新星の活躍にも期待したい。

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