男子1500Mで優勝の飯沢千翔「誰かを責めるといったことはやめてほしい」と訴え 前日予選で集団転倒も救済措置 決勝は異例の18人出走
「陸上・日本選手権」(28日、デンカビッグスワンスタジアム)
今夏のパリ五輪予選を兼ねて行われ、男子1500メートル決勝は異例の18人が出場し、22年日本選手権1500メートル王者・飯沢千翔(住友電工)が3分37秒08で優勝した。五輪参加標準記録の3分33秒50には及ばなかった。
テレビ中継での優勝インタビューには「予選でアクシデントがあってSNS等でいろんな臆測が飛び交っていると思うが、選手は全員全力。誰が悪いということはないと思うので誰かを責めるといったことはやめてほしい」と訴えた。この日のレースについては「素直にうれしい。きのうのアクシデントがあったのも含めてうれしい。昨日より状態がよくてノリノリでアップからいけて結果が出て良かった」と振り返った。
本来なら予選2組のそれぞれ上位6人、合計12人が出場するはずの決勝が異例の“フルゲート”となったのは、前日27日の集団転倒による救済措置によるもの。予選2組で選手同士の接触があり、複数人が転倒するハプニングが発生。アクシデントにより飯沢を含む6人に救済措置が取られ、18人が進出した。
予選について、日本陸上競技連盟は6人が救済に至った経緯も説明。集団の中でオープン参加のキビリチが飯沢を押す形となり飯沢が転倒。審判長はそもそもの原因が飯沢の進路妨害にあったとみて、飯沢を失格とした。飯沢が転倒し、それに巻き込まれる形で転倒した5選手が抗議を行い、救済されることになった。
その後、飯沢が抗議および上訴。ジュリー(審判委員)は飯沢は進路妨害にあたらないと判断し、飯沢の救済が決まった。
それだけに飯沢は「いろんな人が3時間くらいかかって抗議してくれて感謝しかない」と話した。